金利高を背景に2月の銀行クレジットは減少(2023年3月30日付けヴァロール紙)

低調なブラジルの国内経済活動、高止まりしている銀行金利や欧米の銀行破綻やコンペチターによる合併などの要因で、2023年2月の銀行のクレジット部門の再度の悪化信号が点灯している。

また不正会計発覚の小売大手「ロージャス・アメリカーナス」は大手サプライヤーや信用保険会社に対して、200億レアルに達する一貫性にかけた不可解な不正会計の対応に追われており、ブラジルの国内銀行の与信強化や融資に慎重に成っている一因となっている。

ブラジル中銀の発表によると、今年2月の銀行クレジットは前月比マイナス0.1%の5兆3000億レアルに縮小、過去2カ月連続で銀行クレジットが減少したのは2018年1月及び2月であり、この時期は、ブラジルは利下げのサイクルにあったにも拘らず、金融市場は前の期間の金融引き締めの影響をまだ受けていたが、特に社会経済開発銀行(BNDES)の業務縮小もクレジット縮小につながった。

経済活動と密接な関係を持つ傾向にあるクレジットと個人及び法人の資金調達では、2月の季節調整済みデータで1月と比較して2.2%減少。 2 月の金融業界の営業日数は、 1 月よりも 4 日少なかったことがクレジット縮小につながっている。

今年2月の銀行クレジットの延滞率は1月の3.2%から3.3%と微増したが、昨年2月の延滞率2.5%よりも大幅に上昇している。融資先が自由に選択できる個人向け自由クレジットの延滞率は6.1%と前月比並みで推移したが、2016年9月以降では最高の延滞率を記録している。

今年2月の自由クレジット向け金利は前月比0.7%上昇して年利は44.2%、銀行の平均金利は31.2%、融資先が限定されている限定クレジット金利は0.8%減少、スプレッドは0.2%上昇している。

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