世界鉄鋼協会(WSA)の発表によると、2022年のブラジルの粗鋼消費は、2,480万トンを記録したメキシコに追い抜かれて、世界トップ10から圏外に落込んでいる。
ブラジル国内の鉄鋼製品消費は10年以上低迷しており、2013年の鉄鋼消費は2,800万トンを記録したが、2015年から2018年の経済危機時には1,800万トンまで落ち込んでいた経緯があった。
高止まりしているインフレ指数や金利、クレジット部門の縮小、低迷している消費など経済危機の影響で、ブラジル国内の鉄鋼製品の消費が低迷している。
2022年の世界の鉄鋼製品消費ランクでは中国が9億2,100万トンで断トツ、インド、米国、日本、韓国、ロシア、トルコ、ドイツ、イタリアが続いている。
ブラジル鉄鋼協会では、今年のブラジル国内の鉄鋼消費を前年比マイナス1.0%の2320万トンと予想している。
過去10年間のブラジル人の一人当たりの年間の鉄鋼製品消費は、100キログラムから125キログラムの範囲で推移している一方で、中国の鉄鋼製品消費は500キログラムを突破、韓国は1トンを上回っている。
2023年の世界の鉄鋼生産は、前年比2.3%増加の18億2,000万トンが見込まれているが、2022年はロシアによるウクライナ侵攻、世界的なインフレ高、中国政府によるCovid-19パンデミックゼロ政策の悪影響を受けていた。
世界鉄鋼協会(WSA)は世界的なインフレは、鉄鋼製品需要を抑制するが、2024年は大半の地域での鉄鋼需要の増加を見込んでいる一方で、中国の鉄鋼需要は低迷すると予想している。