通貨政策委員会は財政政策の進展を理解するもSelic金利の13.75%維持を決定(2023年5月3日付けヴァロール紙)

3日開催のブラジル中央銀行の通貨政策委員会 (Copom) は、高止まりするインフレの財政リスクへの影響緩和を維持するため、また与党の13.75%を継続しているSelic金利の引下要請の圧力に屈することなく、現行のSelic金利の13.75%の継続を検定している。

通貨政策委員会 (Copom) は、インフレを抑制するためのSelic金利の高止まりの維持において「忍耐と平穏」が必要であると繰り返し説明しており、Selic金利を長期間にわたり高水準に維持する戦略を維持している。

通貨政策委員会 (Copom) は、今年4月までの過去12カ月間のインフレ指数が4.65%を維持しており、2024年の目標インフレ指数の3.00%に誘導するために、昨年8月からSelic金利を13.75%の水準での維持を余儀なくされている。

今年9 月にSelic金利の利下げサイクルが始まることを考慮したいわゆるリファレンスシナリオでは、2023 年のインフレ予測は 5.8% であり、目標上限を上回っている。今年のインフレ指数の中央目標値は 3.25% 、許容範囲は 1.5% 、最大許容値 4.75%が設定されている。

通貨政策委員会 (Copom) は、Selic金利が翌年を通じて維持されるという別のシナリオを再び提示しており、このシミュレーションでは、今年のインフレ予測5.7%と最大許容値を上回るが、2024 年には 2.9%と目標中央値をわずかに下回っている。

通貨政策委員会 (Copom) は、インフレ下降プロセスが期待通りに進まない場合、Selic金利の調整サイクルを再開することを躊躇しないと繰り返したのに対して、フェルナンド・アダジ財務相は、このコメントは金利引き上げの脅威と解釈して批判していた経緯があった。

しかし実際、この通貨政策委員会 (Copom)の議事録のフレーズは、低金利に対する市場の一方的な賭けを冷やす方法として、2022 年 8 月から繰り返されていた経緯があった。誤解を避けるため、通貨政策委員会 (Copom)は現在、新たな金融引き締めを「可能性が低いシナリオ」と見なしていることを強調している。

3月22日開催のブラジル中央銀行の通貨政策委員会 (Copom) は、ルーラ大統領初め与党のブラジル中銀の金利政策批判にも関わらず、高止まりするインフレの財政リスクへの影響緩和を維持するために、政策誘導金利Selicを全会一致で13.75%の据置を決定していた経緯があった。

米連邦準備制度理事会(FRB)は5月3日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.25%の利上げ(政策金利引き上げ)を決めた。政策金利であるFF金利の誘導目標は5.00%~5.25%となった。

2016年8月31日以降のSelic金利の推移

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