アプリケーション運転手がCLTによる雇用関係より自営業を希望(2023年5月22日付けバロール紙)

2023年1月から3月にかけてダッタフォーリャ(Datafolha)が携帯電話アプリケーションを利用する2,800人の運転手と配達人を対象に実施した調査によると、75%が労働関係として自営業者であり続けることを希望していることが明らかになった。この調査は、食品宅配で最大手のプラットホームiFoodと99と並んで個別旅客輸送で大手のUberの依頼を受けて実施された。

 

調査対象となった運転手と配達人の大部分は、連邦政府が検討しているように統合労働法(CLT)の枠組みで雇用関係を締結することにメリットを感じていないが、89%が、社会保障のような社会的保護と一定の権利を確立する必要があると受け止めている。

 

この問題を巡っては、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領(PT:労働者党)がメーデーの5月1日、アプリケーションを通じた労働者に関連した規制を提案するワーキンググループを設立する政令に署名している。

 

このワーキンググループについて労働雇用省は、6月に公式に設置されるとコメントしている。また4月にはルイス・マリーニョ労働雇用大臣が、年内にアプリケーションの運転手と配達人を規制する法案を国会に提出する方針とコメントしていた。

 

調査によると、過半数の76%が、アプリケーションを通じた労働を継続したいと回答。権利と恩恵に関する質問では、7割(68%)の運転手と配達人が、プラットホームが社会保障費の納付を自動化できるのであれば納付すると回答した。

 

また回答者の36%が公的年金や私的年金に加入していないと回答しており、その主な障壁としてコスト(34%)と煩雑な手続き(21%)、知識不足(19%)を上げる声が多かった。また25%が、個人零細事業主(MEI)のような枠組みを通じて専門自営業者として社会保障に加入していると回答した。

 

全体の68%が、アプリケーションを提供するプラットホームが自動的に社会保障サービス(INSS)の納付を行うのであれば、「確実に/おそらく」社会保障費を負担して加入するだろうと回答した。

 

バロール紙の取材に対してウーバーとアイフード、さらにこれらのプラットホームを代表するブラジル・モビリティー及びテクノロジー協会(Amobitec)、さらに99は、企業側はINSSの一部を負担することを提案しているとコメントした。

 

またダッタフォーリャの調査では、INSSの庇護を受けていない運転手と配達人の最大の懸念が、中長期的には、収入を失うことと健康問題だということも明らかになった。

 

運転手の場合、最大の懸念は車両の整備コスト(57%)、次いで強盗被害(48%)、そして事故による収入の喪失(46%)だった。

 

配達人の場合、最大の懸念は交通事故による収入の喪失(48%)、次いでプラットホームの登録抹消(44%)、車両の整備コスト(42%)だった。

 

また89%が、引き続き複数のプラットホームに登録可能でどの配車業務や配達業務を自分が行うか選択できる限り、新たな権利を受け入れると回答した。

 

5月15日に発生したアプリケーション・プラットホームの運転手の全国的なストでは、配車業務の報酬の引き上げを求めていた。

 

呼びかけ人の一人で業界のインフルエンサーのひとり、フェルナンド・フロリパ氏は、「我々が希望しているのはINSSによる支援ではなく、支援を受けることなく負担金を支払うことができる公正な報酬だ」という。同市によると、MEIとして活動している運転手は毎月、INSSへの負担金として65レアルを支払っているという。

 

サンパウロ・アプリケーション・ドライバー協会(Amasp)のエドゥアルド・リマ・デ・ソウザ会長は、「政府がドライバーの年金問題に取り組んでいることは、企業側がより大きな負担をするという正しい形である限りは評価に値する」と話す。

 

15日のストを支持するという同会長は、プラットホーム側のINSSの補助は、業界からの政府への提案のひとつと評価する一方、規制を議論するためのワーキンググループに業界の労働者の代表がいないことを批判する。

 

なお、フロリーパ氏によると15日の全国ストには、アプリケーションの運転手の40%が参加したという。

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=53849