2023年4月に世帯収支が前年同月比で2.09%増加したとAbrasが発表(2023年5月25日付けエスタード紙)

ブラジル・スーパーマーケット協会(Abras)は5月25日、2023年4月の世帯支出が、前年同月と比較して2.09%増加したと発表した。前月比でも、1.47%の増加。

 

同協会のマルシオ・ミラン副会長は、これらの数字はボルサ・ファミリア(家族手当)の給付金の拡大など連邦政府の政策のポジティブな影響が反映されたものだという見方を示した。

 

4月のボルサ・ファミリアの給付金は総額140億レアルで、給付対象は2,120世帯である。この期間で注目されるもうひとつの政策は、プリメイラ・インファンシア(幼児手当)である。こちらは世帯の子供に対して月額150レアルを給付する。アウシリオ・ガス(ガス支援)は逆に、世帯当たり月額112レアルから100レアルに引き下げられた。

 

同副会長は、「これらの数字は、インフレ対策と失業対策として実施された所得移転政策が寄与していることを示している」と指摘した。

 

行政府の公務員の給与の引き上げと社会保障サービス(INSS)の13カ月給付の前倒しなどを考慮すると、スーパーマーケットの売上は、上半期(※原文は第1四半期)にさらに大きくなると期待されるという。

 

なお、2023年の成長率について、上半期末に見直しが加えられる見通しだが、現時点では、+2.5%と予想している。

 

また連邦政府に関連してミラン副会長は、新しい財政の枠組みである新財政基本規定の可決について楽観的に見ていると言及、「政府の支出が削減される一方で増税はない」と指摘した。

 

世帯支出に関連して、消費の80%を構成するブランド数は、増加を続けているとAbrasは発表。例えばフェイジョン豆(インゲン豆)のブランド数の場合、2023年は71ブランドに達しており、前年3月の67ブランドを上回った。

 

ミラン副会長によると、このブランド数の増加は、商品の値上がりを受けて消費者が購入するブランドを変更していることが理由だという。フェイジョン豆の価格は4月に4.41%値上がりしており、年初からの値上がりは12.02%に達した。

 

「消費者は選択的になり、消費するブランドを変更し続けている」とミラン副会長は言う。同様に消費者が購入するブランドのバリエーションが多いのが米で、同じ期間に65ブランドから68ブランドに増加した。

 

なお、主要35品目で構成するAbras製品バスケット価格(Abrasmercado)は4月に751.29レアルを記録して前月から0.53%値上がりした。食品価格のお値上がりは0.71%で、この期間にブラジル地理統計院(IBGE)が計測した政府の公式インフレ率である拡大消費者物価指数(IPCA)の+0.61%を上回った。

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=53897