税制改革:WGが二重VATと複数の税率、4区分の特別制度を提案へ(2023年6月2日付けバロール紙)

下院の税制改革ワーキンググループ(WG)が、6月6日、付加価値税(VAT)と、連邦政府が資金の少なくともその一部を負担する地域開発ファンド(FDR)を盛り込んだ報告書を提出する。少なくとも4人の国会議員が、バロール紙にコメントした。またこの報告書では、具体的な数字は不明ながら少なくとも複数の税率を設けることと、4区分の特別制度の導入も盛り込まれる。

 

フェルナンド・アダジ財務大臣によると、連邦VATの一部を州と共有することに懸念を抱いていたものの、税制改革の重要性と改革推進の必要性を考慮して妥協した。税率とFDRの規模については今のところ明確になっていないが、5月5日にWGが会合を予定しておりこの場で提案について何らかの勧告のようなものが出される可能性はあるが、判断は6日の提案後に持ち越されると見られる。

 

6日に発表される文書は、WGの現時点での報告書であり、憲法改正案(PEC)に盛り込むべき骨子の部分になる模様だ。法案としての詳細と細目を含めた法律文の形になったものは、各党との協議を経て20日後に国会に提出され、さらに7月に表決が行われる見込み。

 

担当者であるアギナルド・リベイロ下院議員(PP:進歩党)はこれまでに、連邦管轄と州及び市役所管轄のすべてをまとめた単一のVATが好ましいという見解を何度も示してきた。だがWGを構成する12人のメンバーらは、5月31日の協議で二重VAT(連邦VATと州/市役所VAT)の方がより政治的に理解を得られやすいという判断を下した。しかしながらVATに関する法律は全国で効力を持つ単一の法律として施行され、連邦と州、市役所の3層をひとつにまとめて国家機関を通じて徴税する。

 

アダジ財務大臣との協議では、納税者に対する移行期間についても6年から10年をかけることが提案されたが、この問題は最終判断が下されておらず、代替案が提出されてそちらを推進する可能性もある。この移行期間については2つの可能性が残されている。より短期、6年で移行する場合には政府が企業に対して税制優遇策の終了に伴って補償を行うというものと、これらの恩典をPECによって検証しつつより長い期間をかけて移行するというものである。

 

報告書では、VATは単一の税率にはならないとする一方、その税率やどのように業界を区分するのかなどについて言及しない。関係者によるとこの問題は、別の法律、場合によっては補足法により定める可能性がある。さらに「キャッシュバック(税額還付)」についても提案する予定だが、どのように行うか、またいずれを対象にするかについても言及しない。

 

また4業種についてはVATの特別税制を適用する。すなわち、燃料業界については脱税を避けるために生産チェーンを通じて課徴するのではなく製油所における1段階のみで課税される。さらに金融システムと保険業界の2業種に関しても、経済全体にコストの上昇を招かないため、個別の商品ではなく全体の収入に対して課税される。そして土木建築業界にも独自の課税モデルを提案する。

 

この文書には、豪華船や航空機への車両税(IPVA)を提案する憲法改正案第110号(PEC 110)の提案も取り込む予定だが、この税金を連合税と州税、市税のいずれに設定するのか、すなわち徴税の責任をいずれが負うのかは決まっていない。

 

WGは今後、6日の発表前に最後の詰めの協議を進める。2日には、全国市長活動戦線(FNP)と協議を予定するほか、週明け5日にはアダジ財務大臣との会合を予定する。さらに同日夜には、レポートに盛り込む最終ガイドラインの策定とこれまでWG内で合意に達していない問題について協議する。報告書の発表は、6日午後4時を予定する。(2023年6月2日付けバロール紙)

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=53934