ブラジル化学工業協会(Abiquim)の発表によると、2023年初め5か月間のブラジル化学業界の貿易収支赤字は、前年同期比マイナス16.3%に相当する196億ドルに留まっている。また今年5月のブラジル化学業界の過去12か月間の累計貿易赤字は、591億ドルの赤字を計上している。
今年初め5か月間のブラジル化学工業界の輸入総額は前年同期比15.3%減少、特に農畜産部門向け肥料や農薬の輸入が大幅に減少している。
一方今年初め5カ月間の輸出は前年同期比11.9%の63億ドルと二桁台の減少を記録している。今年初め5か月間のブラジル化学工業界の輸入製品のうち樹脂の輸入量が31.5%と大幅に増加、合成繊維は20.8%増加、各種化学繊維は5%増加した。
「既存の設備による生産能力では、海外企業との競争力の困難と、ブラジル政府の工業政策では国内製造を脅かす驚異的な輸入に結び付くとAbiquimは指摘している。
樹脂関連グループの輸入増加の加速は「既存の産業に圧力をかけ、国内の製造業そのものを脅かしている」とAbiquimのFátima Giovanna Coviello Ferreira理事は指摘している。
「Reiq(化学工業部門向け特別制度の撤回と輸入関税引き下げは、熱可塑性樹脂に対するLetecの削減によってさらに悪化し、特に化学製品の戦略的グループにダメージ、その結果、設備容量の遊休状態が大幅に増加した」と幹部は指摘している。