21日開催のブラジル中央銀行の通貨政策委員会 (Copom) は、最近のインフレ指数のなだらかな下降傾向でルーラ政権は、政策誘導金利Selicの引下圧力が増しているにも拘らず、前回同様に13.75%に据置いている。
ブラジル中央銀行の通貨政策委員会 (Copom)のSelic金利の13.75%の据え置きは、金融市場の予想を一致しており、Valor社が122社の金融機関対象の調査では、2社を除く120社がSelic金利の13.75%の据え置きを予想していた経緯があった。
ブラジル地理統計院(IBGE)によると、広範囲消費者物価指数(IPCA)で測定されるブラジルの公式インフレ率は減速し、5月は0.23%上昇し、経済団体の予想を下回った。 12 か月間の累計IPCA指数は 3.94% 、4 月はIPCA指数は 4.18% であった。
フォーカスレポートによるインフレ指数もここ数週間で後退。 経済アナリストは今年のIPCA指数について、4週間前の5.80%に対し5.12%、2024年は4.13%に対し4%の上昇に留まると予想。 2025 年と 2026 年の予測は、同じ比較基準に基づく 4% から 3.80% に下方修正されている。
ブラジル中銀の今年のIPCA指数の中央目標値を3.25&、2024年及び2025年の中央目標値を3.00%、許容範囲は±1.50%を設定している。
2021年3月に始まったSelic金利の上昇サイクルは、昨年8月まで12回連続でSelicを11.75パーセントポイント引き上げた。 次回のCopom会議は8 月 1 日と2 日に再び開催されるが、Selic金利の引下サイクル入りの可能性が示唆されている。
2016年8月~2023年6月までのSelic金利の推移