写真左からNippon Koei LAC のMarcel Viergever氏、JICAブラジル事務所の青木次長
貿易部会(山口久和部会長)及びJICAブラジル事務所(江口雅之所長)共催の低炭素農業・大豆に係る調査結果報告ワークショップは、2023年6月30日午前10時から正午まで約100人が参加して、ハイブリッド形式で開催した。
開会挨拶ではオンラインで参加した林禎司在ブラジル日本国大使は、ブラジル政府の食糧安全保障政策、27日のサフラプラン発表、7月の農務大臣の訪日、日本の調査・分析・最先端技術がブラジルの食糧増産に結び付くことを確信していると述べた。また青木次長は低炭素農業・大豆に係る調査の目的や概要を説明した。
青木次長は低炭素農業・大豆に係る調査結果報告として、ブラジル農業の概要、農業開発とチャレンジ、セラード開発の概要、ルーラ大統領の2030年までのアマゾン地域の熱帯雨林の違法伐採ゼロ政策と農業生産の増産。二酸化炭素排出削減。牧草劣化の喫緊の課題と改善。JICAの円借款の活用・資金協力・技術協力。環境保全・森林保全。世界の大豆生産の推移、ブラジルの大豆の輸出相手国、対日輸出。セラードでの非遺伝子組み換え大豆の試験的栽培。非遺伝子組み換え大豆の生産、増産へのチャレンジ。民間企業とのタイアップなどについて説明した。
続いてNippon Koei LAC のMarcel Viergever氏は、調査結果の詳細説明として、ブラジルにおける低炭素農業政策及びその推進、ブラジル産大豆の対日輸出拡大の可能性を探るため情報収集調査、ブラジルにおける環境保全と両立した農業開発・劣化牧野の改善に向けた取組、大豆の輸出先多様化、アマゾニアファンド。持続可能農業のABC。環境政策、農業政策。民間企業のイニシアチブの例、カーボンクレジット、ボルンタリーマーケット。日本向け非遺伝子組替大豆の輸出に対する生産地域。非遺伝子組替大豆の需要、米国の非遺伝子組替大豆の地域別生産。大豆生産大国の米国、ブラジル及びアルゼンチンの生産コストなどの比較などについて説明した。
質疑応答では、牧草地の土壌劣化の定義。土壌改良に対する技術・コンポストについて。劣後牧草地の改良後の活用方法。今後のアマゾンの熱帯雨林の違法伐採防止対策。経済合理性を成立するための活用方法。日本の非遺伝子組替大豆の需要の必要性。大豆の新品種の開発の重要性。ブラジルのカーボンクレジットの基本法案。非遺伝子組替大豆と遺伝子組替大豆との価格差などが挙げられた。