ブラジル化学工業協会(Abiquim)の発表によると、2023年上半期のブラジル化学業界の貿易収支赤字は237億ドルに達している。今年上半期の化学品の輸入総額は 312億ドルに達し、過去10年間の平均貿易赤字の100億ドル~ 250億ドルを大幅に上回る赤字を記録している。
今年上半期の化学品の輸出総額は前年同期比マイナス14,9% の75億ドルに対して、化学品の輸入総額は、 輸出総額の4倍以上に相当する312億ドルに達し、大幅な貿易赤字を計上している。
ブラジル化学工業協会(Abiquim)の統計によると、今年上半期の熱可塑性樹脂の輸入量は前年同期比30,6%と大幅に増加、洗剤中間体は20.7%、合成繊維は17.3%、基礎石油化学製品は9.7%とそれぞれ大幅に増加して貿易収支の赤字幅拡大を牽引している。
ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、アジア諸国のロシア産の安価な化学製品向け原材料の調達で、更なる価格競争力をつけているとブラジル化学工業協会(Abiquim)は指摘している。
今年上半期の化学品の輸出総額は前年同期比マイナス14,9% の75億ドルに留まっている要因とし、主要輸出相手国のアルゼンチンの為替問題が牽引しているとブラジル化学工業協会(Abiquim)は指摘している。
今年上半期の累積貿易赤字は過去30年間の大半を上回っており、昨年下半期~今年上半期の累積貿易赤字は 569億ドルに達しているとブラジル化学工業協会(Abiquim)経済戦力担当のFátima Giovanna Coviello Ferreira取締役は説明している。