今年6月の世界の粗鋼生産は前年同月比マイナス0,1%の1億5,880万トン、上半期の世界の粗鋼生産は前年同期比マイナス1,1% の9億4,390万トンであったと世界63カ国が加盟するベルギーのブリュッセルに本部がある世界鉄鋼協会(WSA)の発表している。
世界最大の粗鋼生産で主要消費国である今年6月の中国は0.4%増加の9,110万トンとなった。今期の累積量は5億3,560万トンで、同期比1.3%増加している。
今年6月の世界の粗鋼生産の57,4%は中国の生産で世界の過半数を占めており、上半期の累積粗鋼生産は56,7%と世界の過半数を占めている。
中国の鉄鋼市場は、鉄鋼の主要消費者である不動産セクターを中心とした国内経済の不確実性によって打撃を受けており、習近平国家主席による景気刺激策導入が期待されている。
今年6月の世界の粗鋼生産では、インドの粗鋼生産は12,9%増加の1,120万トンを記録している。徐々に粗鋼生産が上昇してきているイランの今年上半期の粗鋼生産は1,610万トンで世界8位とブラジル及びトルコを追い越している。6月の粗鋼生産は320万トンであった。
今年6月の世界の粗鋼生産でマイナスを記録したのはドイツの粗鋼生産はマイナス8,4% の290万トン、世界3位の日本はマイナス1,7%の730万トン、ブラジルはマイナス(12,5%の260万トン、トルコはマイナス1,5%の290万トンを記録している。
トルコの粗鋼生産は今年2月に発生した大地震の影響を受けており、今年上半期の累計粗鋼生産はマイナス16,3%と大幅な減少に留まっている。