今年上半期のブラジル国内の化学工業部門の需要はマイナス4,6%と危機的な減少 (2023年7月31日付けヴァロール紙)

ブラジル化学工業協会(Abiquim)の発表によると、2023年上半期のブラジル化学業界の国内生産及び輸入から輸出を差引いた国内需要は、前年同期比マイナス4,6%と大幅な落ち込みを記録している。

今年上半期のブラジル国内需要がマイナス4,6%を記録した要因として、ロシアによるウクライナ侵攻の悪影響の中でのブラジル国内の経済減速と化学製品輸入増加が牽引している。

今年上半期のブラジル国内の化学製品生産は前年同期比マイナス9,73%、国内の化学製品販売はマイナス11%と二桁台の大幅な落ち込みを記録した一方で、化学製品輸入は0,6%増加、化学製品輸出はマイナス3,9%を記録している。

今年上半期の輸入化学製品の平均価格はマイナス28,2%を記録して、9%のデフレがあった国内市場での価格に影響を与えた。

今年上半期のブラジル国内の化学工業部門の設備稼働率は、前年同期比マイナス5%の67%を記録、特に合成繊維中間体群の設備稼働率は56%、工業用溶剤71%、熱可塑性樹脂の設備稼働率は 69%とそれぞれ縮小している。

世界中の化学業界が経験している需要サイクルの低さにも関わらず、ブラジルの化学品業界では国内需要を上回る輸入品の過剰なマーケットシェア上昇を懸念しているとブラジル化学工業協会(Abiquim)経済統計担当のFátima Giovanna Coviello Ferreira理事は指摘している。

化学製品の生産に影響を与え、投資の推進を妨げる化学部門の主なコスト要素は、基本的な原材料とエネルギーのコストに関連している上に、この部門は化学産業のための特別制度であるREIQの廃止という主要な財政手段を失い、また昨年いくつかの製品の輸入税率が引き下げられたことも大きな影響を受けている。

 

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