世界最大のパルプメーカースザノ製紙は9月からユーカリ材が原料の短繊維パルプの価格を1トン当たり29ドルから50ドルの値上げをすると発表している。
スザノ製紙は9月からアジア向け短繊維パルプ価格を1トン当たり20ドルの値上げを発表した一方で、ヨーロッパおよび米州向けパルプの価格は50ドルの値上げを発表している。
過去1年間ではヨーロッパおよび米州向けの短繊維パルプの値上げは初めてとなるが、アジア向けの短繊維パルプ価格の値上げは3回連続の値上げとなる。
ヨーロッパでは短繊維パルプ価格が先週も下落し続け、8年ぶりの最低水準に近づいており、デリバティブブローカーのStoneXによると、欧州市場における長繊維と短繊維の「スプレッド」は1トン当たり358米ドルという記録的な水準に達し、中国の126米ドルに匹敵する。
欧州BHKPの力強い下落傾向が終わりに近づいていることを示すさまざまな兆候があるとStoneXは指摘している。