7月のブラジルの財政プライマリー収支は同月としては過去26年間で2番目の赤字計上(2023年8月31日付けヴァロール紙)

31日の国庫庁の発表によると、2023年7月の中央政府の財政プライマリー収支は、統計を取り始めた1997年以降では、7月としては2020年7月に記録したCovid-19 パンデミックによる影響を受けた1,096億レアルの赤字に次ぐ359億レアルの赤字を計上している。

財務省のDavid Rebelo Athayde財政政策戦略計画担当次官は7月の中央政府の財政プライマリー収支に対する記者会見で、今年の財政プライマリー収支はGDP比1.0%に相当する赤字に収まる方向で進んでいると説明している。

国庫庁の発表によると、今年7月の過去12カ月間の累積財政プライマリー収支はGDP比0.95%に相当する970億レアルの赤字を記録している。

社会保障院及びブラジル中央銀行の支出を含まない今年の財政プライマリー収支予算は1,454億レアルの赤字が見込まれているにも関わらず、GDP比1.0%に相当する1,000億レアルの赤字に収まる可能性が濃厚となっている。

今年7月までのブラジルの財政プライマリー収支は予想通りに進んでおり、昨年のような国際コモディティ商品高騰による収支とは異なるが、エレトロブラス電力公社の資本化、ペトロブラスが連邦政府に支払った多額の配当、主に石油セクターにおけるコモディティ企業の高利益などが寄与している。

今年初め7か月間のインフレ指数を考慮した実質、また財政プライマリー収支は前年同期比マイナス5.3% 、2022 年の同時期と比較した年間の累計結果では、インフレを考慮した純収益は 5.3% 減少した。今年7月と前年同期との比較でもマイナス5.3%を記録している。

今年下半期の財政プライマリー収支は、燃料に対する連邦税の復活や商品サービス流通税(ICMS)の控除額の変更など、すでに導入された措置で、歳入の改善が期待できるとDavid Rebelo Athayde財政政策戦略計画担当次官は説明している。

今年7月の歳出総額は連邦政府によるプレカルトリオの負債の前払いの影響で前年同月比8,7%増加、前月比31,3%と大幅な増加を記録している。

インテル銀行チーフエコノミストのRafaela Vitoria氏は、今年のブラジルの財政プライマリー収支赤字を900億レアルから1,200億レアルに上方修正する必要性を指摘している。

しかしRafaela Vitoria氏は、ブラジル経済の鈍化に伴う歳入の減少及び国際コモディティ価格の減少で、連邦政府が掲げている2024年の財政プライマリー収支の赤字ゼロには疑問を抱いている。

2022年8月~ 2023年7月までの過去12カ月間の累積財政プライマリー収支の推移

 

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