2022年のM&Aは希少鉱物部門が牽引(2023年9月4日付けヴァロール紙)

2022 年の鉱山事業は、重要鉱物分野に関わる合併や買収が大部分を占めました。

希少価値の高い重要鉱物または戦略鉱物とは、電気自動車、ソーラーパネル、エネルギー転換に関連するその他の機器の生産など、関連性の高い分野で使用される鉱物であり、コバルト、銅、錫、リチウム、ニオブ、ニッケル、シリコン、タンタル、チタン、ウラン、バナジウム、希土類鉱石などの品目が含まれている。

コンサルティングおよび監査部門の世界的大手である PwC社 による2022年次鉱業報告書は、世界最大手の鉱山会社 40 社の業績を分析、昨年の重要鉱物事業との合併・買収案件は前年比が151% 増加。このセグメントの取引は、2021 年の取引総額の 27% と比較して、年間の取引総額の 66% を占めた。

2022年の鉱業部門のM&Aでは、銅関連事業分野は最大の鉱山会社 40 社の重要な鉱物取引の 85% と合併・買収の 56% を占めた。

銅に次ぐ鉱物として2位は金で、取引の34%を占めましたが、2021年には全体の70%でした。金鉱山業者との取引は50%減少したが、PwC社では依然として金のカテゴリーにおけるM&Aの関連傾向があると見ている。

銅は電化や再生可能エネルギーに不可欠な金属であるため、今後数年間にわたって高い需要が見込まれている。

PwCブラジル社エネルギー・公益部門のパートナー兼リーダーであるアドリアーノ・コレイア氏は、エネルギー転換と脱炭素化部門の需要は今後数十年間にわたって鉱業界を牽引すると指摘している。

もう一つのポイントは、二酸化炭素排出量の削減に重要な鉱物の不足であり、早ければ2025年にも世界では重要な鉱物が不足すると予想されている。鉱業界は代替案を研究しており、そのうちの 1 つは深海採掘であり、重要な酸素源である海洋生態系に影響を与えるコレイア氏は指摘している。

PwC ブラジルの鉱業担当のPatrícia Seoaneリーダーパートナーは、大手鉱業会社が二酸化炭素排出量の削減に取り組んでいおり、化石燃料の消費量が少ない自動運転トラックや再生可能エネルギー マトリックスに投資している。

ブラックロックやフィデリティ・インベストメンツなどの大手投資家は、石炭事業を処分しようとする鉱山会社の取り組みが増えており、すでに一般石炭事業の株式を売却することを公約している。

PwC は近年、重要鉱物分野で新たな傾向が見受けられ、合弁事業を設立するよりも事業の 100% を取得することを優先していると指摘。その一例は、カナダに本社を置くTurquoise Hill Resources社をリオ・ティントが33億ドルで買収している。

ヴァーレ社は基礎金属部門の10%の株式を売却、銅とニッケル部門強化のために、BHP社は64億ドルでOz Minerals社を買収している。

鉱山会社に加えて、政府系ファンド、年金基金、消費財業界もレアアースなどの希少価値の鉱物会社への投資を活性化させている。

例えばフォルクスワーゲン車は、鉱山会社と提携してカナダにリチウムベースの電池工場を建設する計画を立てている。 ゼネラルモーターズは、年間ほぼ100万台の電気自動車の生産のための原材料を確保するために、Lithium Americas社に6億5,000万ドルを投資。メルセデス・ベンツは、原材料の供給を保証するために鉱山への投資に関心を示している。

 

世界の鉱業会社トップ40社の2021年以降の売上、純益、Ebitdaの推移

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