海外投資家は8月にブラジル株式市場から132億レアルの投資金を逃避(2023年9月5日付けヴァロール紙)

米国債の高利回りと中国の景気回復の遅延など、より困難な世界的なシナリオにより、2023年8月は新型コロナウイルス感染症のパンデミックがブラジル国内で蔓延し始めた2020年3月以来では、サンパウロ証券取引所B3の株逃避が最大の投資金を記録している。

海外投資家による8月のサンパウロ証券取引所の株式売却総額は132億1000万レアルを記録して、スポットモダリティのカテゴリーの年間残高は55%減の109億2000万レアルとなったが、サンパウロ平均株価指数Ibovespaは5.09%減少している。

SVN Gestão社の統計データによると、将来の状況も考慮すると、2023年の非居住者残高はすでに37億1,000万レアルのマイナスを記録している。 8月は5月以来、スポットと先物を合わせた総為替フローがマイナスで終わった初めての月となった。金融アナリストらは、Copelのような株式の売り出しも、当月中に同グループの小規模な買い手意欲の一部をつかむのに役立った、と指摘している。

JPモルガン社は、今年8月はほとんどの株式市場のとって低迷しており、株式のベンチマークである新興市場のMSCIは6.4%下落したのに対し、先進国指数は2.6%下落したと指摘している。新興地域ではMSCIラテンアメリカが7.9%減と最悪の業績を記録している。

UBS社及び ラテンアメリカ担当のUBS BB社責任者のDaniel Barros氏は、8月は、米国金利の高騰と中国の経済成長に対する懸念により、株式市場の出来高が減少した月で、また、米国では 1 か月の休暇であることも考慮する必要があると指摘している。

米国債は世界で最も安全な投資の一つとみなされており、現在のように利回りが上昇し始めると、必然的に他の投資資産に影響が出る。中国の国内景気回復、特に建設部門の困難も、ラテンアメリカの同業諸国と同様に、ブラジルやその他の一次産品輸出国の株価にマイナスの重しとなっている。

しかし、UBS BB社は今年下半期の株式市場の改善を期待しており、注目するのは今後数カ月間の米経済指標であり、。これらはインフレが冷え込んでいるかどうかを示す数字であり、金利カーブの動きに影響を与える。ブラジルではSelic金利の利下げ開始後、海外投資家による株式の売却が見られた。

2020年3月以降の海外投資家のB3での株式投資増減の推移

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