第2四半期のGDP伸び率が大半の予想を上回る0.9%増加などの要因で、イタウーウニバンコ銀行は、2023年のブラジルのGDP伸び率を前回予想の2.5%から2.9%に上方修正している。
ブラジル国内の労働市場の好調が今後数カ月間、引き続き一般家庭の消費を支え、投資の低迷を補うとイタウー銀行エコノミストは指摘している。
しかしブラジル中央銀行では、今年第3四半期のGDP伸び率は農業セクター主導で0.2%減少すると予想しており、第1四半期のGDPの力強い伸び率1.9%を若干切削するが、今年最終四半期のGDP伸び率は 0,2% から0,3%を予想している。
今年7月の失業率が7.8%まで低下するなど、雇用市場の回復力をイタウー銀行のエコノミストは指摘。雇用市場の温暖化の兆しを考慮すると、給与は今後数カ月間に再び上昇すると予想。イタウ首相は、今年と2024年の失業率が8%になるとの予想を維持している。
イタウー銀行はまた、2024年のGDP伸び率予想を1.5%から1.8%に上方修正している。 上方修正の要因として金利引き下げプロセスの継続性と可処分所得の回復力は、経済が潜在成長率に近づくのに効力を発揮すると指摘している。
しかし、イタウー銀行では財政見通しを変更せず、今年の財政プライマリー収支赤字はGDP比1%、2024年にはGDP比0.8%になると予想を継続している。
またイタウー銀行は、2022年の公的債務残高はGDP比73%であったが、今年は75%に増加、2024年にはGDP比78%に増加すると予測している。