世界63カ国が加盟するベルギーのブリュッセルに本部がある世界鉄鋼協会(WSA)の発表によると、2023年8 月の世界の粗鋼生産は、前月比2,2%増加の1億5,260万トンを記録している。
今年初め8か月間の累積粗鋼生産は、前年同期比0,2%微増の12億5,600万トン、今年8月の中国の粗鋼生産は前年同月比3,2%増加の8,640万トンであったが、建設業やインフラ部門の粗鋼生産は減少しているにも拘らず、7月の粗鋼生産は9,000万トンを突破していた。
中国は国内市場の販売減少を補うためにブラジルをターゲット市場の一つとして、鉄鋼完成品の輸出ペースを高めているが、年間の粗鋼輸出ペースは1億トンとなっている。
今年初め8か月間の中国の累積粗鋼生産は、前年同期比2,6%増加の7億1,290万トン、今年8月のインドの粗鋼生産は、前年同月比17,4%増加の1,190万トン、今年初め8か月間のインドの累積粗鋼生産は10,5%増加の9,220万トンを記録している。
今年のインドの粗鋼生産は1億4,000万トンを見込んでいるが、国内経済が好調に推移しており、また同大な鉄鉱石の埋蔵量を擁するインドは外資系企業に国内への投資を積極的に働きかけている。
一方今年8月のブラジルの粗鋼生産はマイナス5,9%の272万トン、今年初め8か月間のブラジルの累積粗鋼生産はマイナス8,3%の2,130万トンに留まっている。
ブラジルは国内の鉄鋼需要の低迷に加え、ウジミナス製鉄所の最大高炉が改修工事を受けた4月以来の生産停止の影響を受けている。