今年9月の新興国からの投資引上げ総額は138億ドルに達している (2023年10月13日付けヴァロール紙)

世界70か国の450銀行や投資ファンドで構成される国際ファイナンス協会(IIF)の発表によると、2023年9月の新興国からの投資引上げ総額は138億ドルに達しており、8月に続いて2カ月連続で引揚げ総額が投資総額を上回っている。

9月の新興国からの投資引上げ総額138億ドルの内訳は、新興国からの株式市場からの投資引上げ総額は120億ドル、国債関連は18億ドルを記録している。

新興国からの株式市場からの投資引上げ総額120億ドルの内訳では、不動産関連市場が崩壊の危機に瀕している中国からは44億ドル、その他の新興国からは75億ドルが逃避している。また中国の国債関連商品から44億ドルの投資引上げが記録されている。

一方、他の新興市場には26億ドルが流入したが、金融政策の将来の軌道を巡る最近の市場の混乱とソブリン債利回りの上昇により、新興国市場へのポートフォリオ・フローのパフォーマンスが妨げられていると国際ファイナンス協会(IIF)では指摘している。

新興国債の見通しは金融情勢の状況と密接に関係しているが、金利は長期にわたって高止まりするとの見方が一般的であり、その結果、新興国債のパフォーマンスが低下していると国際ファイナンス協会(IIF)では指摘している。

新興国のインフレ率が徐々に目標に戻りつつあり、経済政策の不確実性の低下が通貨のボラティリティの安定に役立っていると指摘している。しかし、インフレ圧力により米国の連邦準備制度理事会(FRB)がより積極的な姿勢をとれば、この有利なシナリオは変わる可能性がある。

短期的には、為替レートのボラティリティの低下によりキャリートレードの魅力が高まり、外国人投資家が新興現地通貨建て債券から恩恵を受けるようになっている。

しかし、国債利回りの上昇により、新興国の中央銀行が通貨の変動を引き起こすことなく成長を促進する余地が少なくなっているため、新興国の公的債務についてはより慎重になる可能性がある。

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