ブラジル鉄鋼院(IABr)によると、今年のブラジルの鉄鋼製品輸入は、500万トン以上に達する可能性があり、過去最高の輸入量に達する可能性がある。
ロシア、韓国、トルコと同様に、1年前と比較してブラジルの鉄鋼製品輸入は138%増加しており、平板鋼、長鋼、特殊鋼およびその他のタイプの鉄鋼製品輸入は 58% 増加している。
ブラジルの鉄鋼製品輸入の過去最高の記録はGDP伸び率が7%を記録した2010年の440万トンとなっているが、今年初め9か月間の累計鉄鋼製品輸入は既に373万トンに達している。今年最終四半期の月間平均鉄鉱石品輸入は40万トンが見込まれているために、500万トンを突破する可能性がある。
今年9月のブラジル国内メーカーの粗鋼生産は前年同月比5.9%減少、今年初め9か月間の累計鉄鋼生産は前年同期比5.4%減少を記録している。
今年4月からの輸入鉄鉱石品の急増はブラジル国内鉄鋼メーカーの脅威となっており、特に不動産・建設業界が不振に陥っている中国からの安価な鉄鋼製品の輸入が急増、9月に輸入された54万4,900トンのうち、56%が中国製品であった。中国は、経済が消費しない余剰を生み出すために、安定したペースで生産し、年間1億トンを輸出しているという事実を隠していないとブラジル鉄鋼院(IABr)のMarco Polo de Mello Lopes会長は指摘している。
コンペチターは、実際の原価よりも低い価格を設定しているため、マイナスのマージンで操業している製鉄所の大部分は中国鉄鋼メーカーであり、さらに、中国政府は地元の雇用を保証することを重視して、企業に補助金や奨励金を提供していると指摘している。
これらの状況を考慮して、我々がブラジル政府に求めているのは、1年間、25%の輸入関税という緊急保護措置とロペス氏は説明。緊急保護措置の目的はブラジル国内市場でのマーケットシェアを維持することだと説明している。
今年9月の見かけ上の鉄鋼製品の国内消費に占める輸入鉄鋼製品のマーケットシェアは23.2%に達し、2013年から2023年の平均である12.3%のほぼ2倍を記録している。
ブラジルの鉄鋼製品輸入に対する課徴金が他国と比べて乖離しており、米国と欧州連合は25%の割当枠を採用しており、メキシコも同じ割合で実施し、チリでも評価中である。ブラジルの輸入税は9.6%でこの地域の他の市場が中国鉄鋼に対して閉鎖的であることを考慮すると、セーフガードは非常に低い。そして、サンタカタリーナ港経由で流入する鉄鋼の 40% はほぼゼロとなり、ICMS が 12% から 4% に減少すると説明している。
9月のブラジルの粗鋼生産量はがウジミナスの主高炉4月から改修工事の影響で9.3%減少の253万トンに留まっており、今年の最新の予測は前年比5.0%減少の3,240万トンが予想されている。今年9月のブラジルの鉄鋼製品輸出は1.4%微増、今年初め9か月間の追啓では4.4%減少、今年の輸出は0.3%減少の1190万トンが見込まれている。