ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)ブラジル経済研究所(Ibre)の発表によると、2023年10月の小売業界の企業経営者の景況感指数は、過去半年間で最高の落込みとなる前月比3.0ポイント減少の89.2ポイントに留まっている。
11月のブラックフライデー並びに12月のクリスマス商戦を前に、小売業界の企業経営者は警戒心を強めている。
今年10月の小売業界の企業経営者の景況感指数89.2ポイントは今年5月に記録していた87.3ポイント以来の最低水準に下がったほか、4月に記録した3.3ポイント以来の大幅な下落となっている。
小売業界の企業経営者は小売部門の需要が芳しくないことを認識しており、今後数カ月の国内小売市場の業績について楽観視していない。
10月の 小売業部門の現状景況感指数(ISA)は2.0ポイント減少の92.2ポイント、期待指数(IE)は3.8ポイント減少している。
現在のマクロ経済状況では家計債務の高さ、依然として高金利、与信制限が企業経営者の景況感悪化に結び付いている。今年第 3 四半期から第 4 四半期にかけて、これらの指標には改善の兆しが見られたにもかかわらず、これらの指標は内需を大幅に押し上げるには十分となっていない。
またもう一つの負の側面は、多額の負債を抱えて小売業を経営しているの財務コストであり、Selic金利引き下げサイクル突入にも拘らず、依然として高い金利は、企業経営者の先行き不透明感に繋がっている。
最終四半期は商取引が忙しくなる傾向があり、ブラックフライデーとクリスマスで状況は改善するかもしれないとジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)ブラジル経済研究所(Ibre)アナリストのGeórgia Veloso氏は指摘している。