ミレイ大統領誕生でメルコスールが複雑化(2023年11月21日付けヴァロール紙)

極右翼のハビエル・ミレイ氏がアルゼンチン大統領に選出されたことは、少なくとも今日知られているメルコスールの存続にとっての危機となる可能性が出てきている。

ミレイ候補はここ数週間で口調を軟化させているが、選挙期間中はアルゼンチンをメルコスール加盟国から排除すると脅迫していた。例えばミレイ候補は8月、「メルコスールは貿易の歪みを生み出し、加盟国に損害を与える質の悪い関税同盟だ」と強調していた。

メルコスール域内のGDPの24%を占めるアルゼンチンがメルコスールを脱退すればメルコスールのGDPは6310億ドルに縮小、ブラジルのGDPは72%、パラグアイ及びウルグアイはそれぞれ4%を占めているに過ぎない。

ミレイ候補の大統領就任はメルコスールと欧州連合間の貿易協定締結に向けた新たな要素となるだろう。 20年間にわたる交渉を経て、2019年に交渉は前進したが、ジャイール・ボルソナロ政権下でアマゾンの森林伐採が悪化したことを受けて、欧州の新たな環境要求が再び合意を妨げていた経緯があった。

統合開発研究センター(Cindes)のエコノミストのサンドラ・リオス氏は、アルゼンチンの大統領選挙はメルコスールに対し、ルールをより柔軟にし、ウルグアイのルイス・ラカレ大統領のように各国が二国間貿易協定を結ぶことを許可するよう、さらに圧力をかける必要があると述べている。

ルーラ大統領にとって重要なメルコスールでの戦略に対するラカジェ・ポウ大統領とミレイ大統領の抵抗が「EUとの合意の可能性が減少するため、メルコスールの停滞がさらに進むだろう」とSandra氏は予想している。

最近のメルコスールは、中国の同地域への進出に伴い、特に対外貿易関係において経済圏としての力を失っている。ルーラ政権2期目の最終年である2010年には、ブラジルの輸出額の9.2%がアルゼンチンであった。昨年、これは半分の4.6%にまで減少している。アルゼンチン人にとって、2010 年には海外旅行の 21.2% をブラジルが占めていたが、2022 年には 14.3% と大幅に減少している。

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