今年のブラジル化学工業部門の貿易収支は過去2番目の赤字予想(2023年11月27日付けヴァロール紙)

ブラジル化学工業協会(Abiquim)の発表によると、2023年のブラジル化学工業部門の貿易収支は、470億ドルの赤字が見込まれており、過去2番目の大幅な赤字が予想されている。

またブラジル化学工業部門の今年初め10カ月間の累積輸入金額は520億ドルに対して、輸出金額は122億ドルに留まり、399億ドルの貿易赤字を記録している。

今年のブラジル化学工業部門の大幅な貿易収支赤字は、アジアからの安価な化学製品輸入の席捲を反映しており、ブラジル化学工業部門の生産は過去30年間で最低水準となり、平均遊休率は国内設備能力の35%まで低下を余儀なくされている。

ブラジル化学工業部門の今年初め10カ月間の化学製品輸入は、可塑剤、熱可塑性樹脂、基礎石油化学製品、洗剤用化学中間体、その他さまざまな工業用化学製品の輸入が79.1%まで急増している。

一方、ブラジル化学工業部門の今年初め10カ月間の化学製品輸出は、主要貿易相手国におけるブラジル製品が、ロシアから供給される天然ガスやエネルギーの安価な製品の恩恵を受けてきたアジア製品に取って代わられる中、11.3%減の1,170万トンに留まっている。

ブラジル化学工業部門の今年初め10カ月間の貿易収支は憂慮すべきものであると強調。化学物質の輸入料金を共通対外関税の標準レベルに戻すという連邦政府の最近の決定は不可欠であったが、国内産業の競争条件を回復するにはさらなる措置が必要であるとAbiquimの Fátima Giovanna Coviello Ferreira理事は説明している。

安価な化学製品輸入最も被害を受けている化学製品を対象とするメルコスールの共通対外関税の暫定的引き上げリストの実施や政策の構築など、他の根本的かつ緊急措置をAbiquimでは強く主張し続けている。

 

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