今年11月のブラジルのセメント販売は特定地域の異常降雨量や一般家庭の負債増加などの影響も受けてマイナス1.7%の530万トンに留まる(2023年12月7日付けヴァロール紙)

特定地域の異常降雨量や一般家庭の負債増加、不透明感が増してきているマクロ経済などの要因で、2023年11月のブラジル国内のセメント販売は、前年同月比マイナス1.7%の530万トンに留まったと全国セメント工業組合(SNIC)では発表している。

今年11月の1日当たりの平均セメント出荷量は、前年同月比マイナス1.3%の23万8,600トンに留まったが、前月比では4,4%増加を記録している。

今年初め11か月間のセメント販売は、前年同期比マイナス1.8%に相当する5750万トン、11月の過去12カ月間の累積セメント販売は、前年同期比マイナス1.9%の6,170万トンを記録している。

11月のセメント部門販売は伝統的に好調な月となっているにも拘らず、セメント売上高は異常気象による悪影響が続いており、ブラジルのマクロ経済や一般家庭債務の方向性に関する不確実性がさらに高まって悪影響を及ぼしていると全国セメント工業組合(SNIC)のPaulo Camillo Penna課長は指摘している。

今年11月の南部地域の異常な降雨量はセメント販売に悪影響を及ぼし、前年同月比マイナス8.4%を記録した一方で、強い乾期が継続した北部地域のセメント販売は4.0%増加を記録している。

ブラジル国内のセメント販売拡大をするためには、連邦政府主導による住宅プログラムの推進が不可欠であり、また道路や高速道路の入札においてコンクリート舗装による保全もオプションとして含めることも全国セメント工業組合(SNIC)では推奨している。

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