今月14日、上院並びに下院議会は、ブラジルの製造業部門で最も雇用の多い17部門に対する給与税免除を拡大するプロジェクトに対するルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領(PT)の拒否権を覆した。
上院議会でのルーラ大統領拒否権の打倒賛成は60票、反対13票だった。また下院議会では378票対78票であった。企業や労働組合の意見では、この措置は雇用の維持に貢献すると胸をなでおろしている。
ルーラ大統領拒否権の打倒で、この措置は2027年12月まで延長されるが、仮にルーラ大統領の拒否権が維持された場合、給与税免除措置は今年12月31日に無効になる寸前であった。
ジウマ・ロウセフ政権時の2011年に、経済活性化並びに雇用維持のための臨時措置として、企業側の社会保障院(INSS)への従業員給与額20.0%の納付率の免税に対して、売上の1.0%~4.5%の課税で企業負担を軽減する暫定令が始まりとなっていた。
給与税免除措置は、雇用が大きな製造業部門の17セクターが対象であり、繊維工業セクター、履物、機械・装置、動物性蛋白質生産、建設、通信、道路輸送セクターなど900万人の雇用維持が継続される。
給与税免除措置は、Win-Winのプロジェクトであり、それは生産者と労働者、生産部門と労働組合によって支えられている。給与税免除措置は、より多くの雇用を創出して税金を減らす人たちに非常に明確なメッセージを送るものであるため、全員が一致してこの給与税免除措置を支持しているとEfraim Filho (União-PB)上院議員は説明している。
上院議会での給与税免除措置の採択前に、Rodrigo Pacheco上院議長(PSD-MG)もルーラ大統領の拒否権無効化を支持する立場を強調していた。
ルーラ大統領の拒否権が覆された直後、フェルナンド・ハダジ財務相は、この提案は違憲であるため、連邦最高裁判所(STF)に控訴するつもりであると述べた。行政府にとって、このプロジェクトは利益創出に必要な財政への影響の見積もりを提示していないという点で憲法に矛盾しているとハダジ財務相は説明している。
しかし、ヴァロール紙がインタビューした憲法弁護士と税務専門家は、承認された条文は既存のプログラムを拡張するものであり、新たな措置を創設するものではないとして反論している。
ハダジ財務相は、最高裁判所への提訴に加え、与党は来週、給与税免除措置に代わる提案策を提示すると説明している。