新領域プレソルト油田開発がブラジルを環境大国にするという目標の脅威 (2023年12月19日付けヴァロール紙)

アマパ州から北大河州にまたがる2,000キロ以上の海上油田開発が期待されている「新しい岩塩層下(プレソルト)油田」は、ペトロブラス石油公社と環境団体の間の最大の衝突要因となっている。

環境団体とペトロブラスの衝突の板挟みになっているのはルーラ政権で、新しい石油最前線での石油開発目的と、ブラジルを環境大国に変えようとするグループの目的を調和させようとしている。今後数年間でプレソルト地域から少なくとも50億バレルの石油を抽出できるプロジェクトが計画されており、16鉱区の石油開発向け掘削に30億ドルの初期投資が行われる見込みとなっている。

鉱山・エネルギー省と環境・気候変動省の舞台裏では、ペトロブラスの将来についての議論に参加する関係者の力が試される綱引きが行われている。ペトロブラスは原油埋蔵量の生産継続期間を現在の11年を超えて長期間の開発に結びつけようとしている。

一方で環境・気候変動省は、ブラジルのエネルギー基盤が再生可能であることを考慮すると、ブラジルは2045年に地球上で最初のカーボンネガティブ国、つまり排出する炭素よりも多くの炭素を隔離する国になる可能性があると述べている。

環境活動家にとって、赤道縁辺地域のプレソルト地域から大量の石油と天然ガスを生産するペトロブラスの開発計画が開始されれば、これは不可能となると指摘している。

この地域には、ポティグアル、セアラ、バヘイリーニャス、パラーマラニョン、フォス ド アマゾナスの 5 つの石油埋蔵が期待できる堆積盆地が集中しており、海洋探査プロジェクトの環境ライセンスを担当するブラジル環境再生可能天然資源院(IBAMA)は、この地域での掘削の試みを却下している。たとえば、フランス資本のTotal 社は、すでに5 件の申請を却下されている。

「彼らは地域での石油流出を制御する能力を実証できなかった」とトタル社の要請が拒否権を発動された2016年6月から2018年12月までブラジル環境再生可能天然資源院(IBAMA)の会長であったSuely Araújo氏は説明している。

ペトロブラスは2022年にもフォス・ド・アマゾナスの鉱区で掘削する許可を拒否された経緯がある。ペトロブラスはブラジル環境再生可能天然資源院(IBAMA)に再考を求めたが、現段階ではアマゾン流域沿岸部のにある保護区の実際の規模を理解しようとしているだけであり、この地域は環境汚染に敏感と考えられており、まだほとんど研究されていない地域であると主張. たとえこのせきゆ開発鉱区が河口から500キロ以上離れているとしても、石油流出の可能性があれば、深刻な環境災害となる可能性を指摘している。

ペトロブラスは現在日量300万バレルを生産しているが、今後数年間でその量を60%以上増やして日量500万バレルまで増やす予定で、計画通りに進めばブラジルは世界でも最大の石油輸出国の一つに入る予定。 さらに、赤道直下流域のプレソルト開発でペトロブラスは事業寿命が長くなり、世界の主要石油会社の一つとなるとGabriel Barra氏は指摘している。

しかし、現在ブラジル環境再生可能天然資源院(IBAMA)で公共政策調整官を務めるアラウージョ氏は、スリナムやフランス領ギアナとの間では、同地域での原油流出の可能性を制御するための合意が存在しないことを指摘している。

ブラジル環境再生可能天然資源院(IBAMA)は、ブラジル政府が石油探査における環境安全性を評価するための大規模な研究を決定することを期待していない。これらの団体は、COP 28でOPECに関連する団体への参加を受け入れるなど、油田分野におけるブラジル政府の矛盾を認識している。

さらに水曜日13日に、国家原油庁(ANP)は、地域環境評価を行わずにブラジル国内の602鉱区に達する陸上および海上鉱区を競売にかけている。

11月2日、ブラジル環境再生可能天然資源院(IBAMA)はペトロブラスに有利に、アマゾン河口から2,000キロ以上離れているが赤道縁内にあるポティグア海盆地の一区画に2つの油田を掘削するための運営ライセンスを発行した。今後、当局はフォス・ド・アマゾナス流域の鉱区に関するペトロブラスの再検討要請について再度決定を下す必要がある。

ブラジル環境再生可能天然資源院(IBAMA)はパラー州とアマパ州での公聴会や技術情報会議など、プロジェクトを分析するために数回の議論を行ったと報告し、「地域の環境診断、プロジェクトの特徴づけ、およびその分析を求めた」と説明している。

また、掘削リグによる5~6か月続く試掘段階のライセンスが付与された場合、影響を緩和、監視、補償するための措置と、リスク管理および緊急対応体制を整える必要性もブラジル環境再生可能天然資源院(IBAMA)は通知している。

                                                       ブラジル国内の赤道周縁部地域の原油探査鉱区

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