2022年のブラジルの人間開発指数は89位に悪化(2024年3月14日付けヴァロール紙)

平均余命・教育・所得の側面から人間開発の達成度を示す指数の2022年のブラジルの人間開発指数( Human Development Index, HDI)は、前年の87位から89位に後退している。

2022年のブラジルの人間開発指数(HDI)は、前年までの2年連続の低下から一転して2ランクアップして悪化しているが、2022年のブラジルの人間開発指数(HDI)は、依然としてCovid-19 パンデミック前よりも低い水準にある。

さらに、政治的二極化が進む世界的な傾向がブラジルでも見られ、国民の生活の質の向上が妨げられている。これは、国連(UN)の国連開発計画(UNDP)が今月13日に発表した人間開発報告書(HDR)が示している。

人間開発指数(HDI) は、平均余命、就学年数、一人当たり収入などの要素に基づいて、国の生活の質を測定することを目的とした指標であり、スケールは 0 から 1 までで、指数が 1 に近づくほど、その国の生活の質は向上する。

2022年のブラジルの人間開発指数(HDI)は0.760に達し、2020年の0.758や2021年の0.754よりは高い水準となったが、それでも2018年以降の水準よりは低い。

ブラジルの人間開発指数(HDI)0.760と同レベルには、ペルー、アゼルバイジャン、北マケドニアなどであり、このレベルは人間開発指数が非常に高いと考えられる高水準レベルよりも低いレベルに留まっている。

1990年代初頭から2010年代半ばにかけて生活の質の向上という点でブラジルは急速な進歩を遂げたと強調。過去10年間、この傾向は停滞していたとPnud統計担当のYanchun Zhangチーフは説明している。

ブラジルは世界的な政治的二極化が進む状況の中に置かれており、二極化が生活の質の向上に及ぼす悪影響をPnudのPedro Conceição理事は指摘している。

2020年から2021年にかけての世界の人間開発指数(HDI)の低下は、パンデミックだけが原因ではなかったとPnudのPedro Conceição理事は述べた。同氏はまた、二極化が社会問題や環境問題の解決にもたらす障害についても言及している。

一例として、「パンデミック中にワクチンを接種するかマスクを着用するか」という決定が挙げられる。この決定は多くの場合、これらの措置の有効性よりも、人々が所属する特定のグループの意見に基づいたものであったが、同じことが気候変動でも起こりうる

ラテンアメリカとカリブ海地域は、高いレベルの不平等や貧困、生産性の低さなどのさらなる課題に直面しており、そのためこれらの国々は他の地域よりも外的ショックに対して脆弱になっているとPnudラテンアメリカ及びカリブ担当のMichelle Muschett理事は説明している。

しかし、この地域が北米と西ヨーロッパに次いで世界で3番目に民主的であることが指標で示されているという事実など、調査できる前向きな点もある。ブラジルは社会正義の問題を非常に強力に取り入れ、不平等に取り組んでいるとMichelle Muschett理事は説明している。

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