20日にブラジル中央銀行の通貨政策委員会 (Copom) は、全会一致で政策導入金利(Selic)を現行の11.25%から0.50%引き下げ、10.75%とした。当局は次回会合で同規模の追加削減を示唆している。
通貨政策委員会 (Copom)の最新の発表では、基礎的なインフレ指標はインフレ目標を上回っていた」と説明。エース・キャピタルのリカルド・デナダイ氏は、中央銀行は国際情勢と国内情勢の両方に大きな不確実性があることを明確に示したと説明している。
米国の連邦準備制度理事会は20日、5.5%を上限とする現在の政策金利を5会合連続で据え置くことを決定。焦点となっている金利の引き下げについては今年、3回行う見通しを維持した。パウエル議長は今後もインフレ退治に軸足を置き、金利の引き下げは慎重に判断していくと説明している。
FRBのパウエル議長は会合後のインタビューで、先進国の金利がパンデミック以前のような低い水準に戻るとは思わないと述べた。さらに、米国の連邦準備制度理事会は、2025年と2026年の利下げはより遅いペースで行われるはずだと示唆している。
このシナリオは新興国にとって最善のものではない。先進国の金利が高止まりすれば、世界の投資家がより安全であると考えられている先進国に投資金を残しておくことを選択する可能性が高まり、新興国にとっては不利益となる。
理論的には、ブラジルのような新興国が海外投資家にとっての魅力を失わずに金利を引き下げる余地は少なくなる。しかし短期的には、国内資産はFRBの柔軟な姿勢から恩恵を受ける可能性がある。
2023年2月~2024年3月までのブラジルのSelic金利と米国のFED金利の変動