ジャイール・ボルソナロ大統領は、2022年の大統領選挙を見据えて、連邦政府は、2022年度に支払う予定の890億レアルに達する政府負債precatóriosの分割払いを示唆している。
一方ボルソナロ大統領は、来年の大統領選挙での再選を見据えて、貧困層向けボルサファミリアプログラムの大幅な引上げを示唆しており、2022年度の予算基本法の上限を無視した、支持率引上げに結びつく無理難題をパウロ・ゲーデス経済相に押し付けている。
2021年度の連邦政府によるプレカルトリオの負債支払い総額は547億5,000万レアル、2022年度は890億レアルの負債支払いのうち州政府には166億レアルが予算取りされている。
特に、ボルソナロ大統領の立候補の対抗馬と見込まれているルーラ元大統領の支持基盤が強い北東部地域の州政府の連邦政府によるプレカルトリオの負債支払いが大半を占めている。
来年の州政府へのプレカルトリオ支払い総額166億レアルのうち、野党の支持基盤が強い北東部地域のバイア州政府への支払は87億6,700万レアルで50%以上を占め、ペルナンブーコ州は39億5,200万レアル、セアラー州26億5,500万レアルを占めている。
連邦政府によるプレカルトリオスの憲法改正案(PEC)並びに所得税率の変更法案は、州政府にとって大きな歳入減少に繋がるために、国会での法案通過を阻止を余儀なくされている。
貧困層向け補助金支払いのボルサファミリアプログラムの平均支給額は、190レアルにも関わらず、ボルソナロ大統領は300レアルへの引上げを約束していたが、自身の支持率低下を挽回するために、財政支出拡大を無視した400レアルへの引上げを打ち上げている。