2020年の中国資本のブラジルへの投資は、COVID-19パンデミックの影響を受けて、前年比74.0%の大幅減少の19億ドルに留まり、2014年以降では最低の投資残高を記録とブラジル中国ビジネスセンター(CEBC)が発表している。
2020年の海外への投資状況は、世界的なCOVID-19パンデミックで、世界経済の縮小を余儀なくされた影響を受けて、全ての地域で前年割れが発生していた経緯があった。
しかし2007年~2020年の過去14年間の中国資本によるブラジルへの累計投資総額は176件の投資案件で661億ドル、レアル換算では3,432億レアルに達している。この期間の中国のブラジルへの投資は南米地域全体の47.0%を占めていた。
ブラジル中央銀行の発表によると、2020年のブラジルへの対内直接投資残高(IDP)は341億6,700万ドル、世界の対内直接投資残高(IDP)は前年比35.0%減少の1兆ドルに留まったと国連貿易開発会議(UNCTAD)では発表している。
2019年の中国のブラジルへの対内直接投資残高は前年比117.0%増加の73億ドルを記録していたにも拘らず、COVID-19パンデミックの影響を受けた昨年は、僅か19億ドルの投資に留まっている。
2007年~2020年の中国のブラジルへの累計投資総額661億ドルの48.0%相当は電力エネルギー部門への投資、28.0%は石油・天然ガス関連投資であった。
中国のブラジルの電力エネルギー部門への投資で特筆されるのは、中国資本State Grid Corp of China社はCPFL Energia社や、ベロ・モンテ水力力発電所の送電部門コンセッションに投資、中国の民間最大の電力エネルギー企業China Three Gorges(CTG)社は、電力エネルギー部門に投資を行っているとブラジル中国企業評議会(CEBC)は説明している。
中国資本によるブラジル国内の石油・天然ガス部門への投資では、Sinopec社、Sinochem社、CNPC社並びにCNOOC社は主にペトロブラス石油公社とコンソーシアムを組んで、岩塩層下)プレソルト油田に大型投資を行っている。
また中国資本はブラジルの電力エネルギーや石油・天然ガス部門以外にも外資系資本への規制緩和が進んでいる輸送部門、ロディスティック部門に積極的に投資を行っている。
2007年~2020年の中国資本によるブラジルへの176件の投資案件のうち、31.0%は電力エネルギー部門への投資、28.0%は自動車、電気電子、石油化学、機械・装置部門などの製造業部門となっている。
ブラジルの製造業部門に投資している主な中国企業としては、BYD社, TCL社, Gree社, Midea社, Sanxing Electric社, Chery社, Sany社, XCMG社並びにLiugong社が挙げられる。