コンテナ船不足や運賃高騰で輸送ロジスティクス混乱は来年まで継続(2021年8月20日付ヴァロール紙)

Covid-19パンデミックの影響で、コンテナ船不足による海上輸送ロジスティクスの混乱状況は、最低でも2022年迄継続すると予想されており、コンテナ船不足は、海上輸送運賃の高騰及び数か月間の船荷の遅延を誘発すると予想されている。

新型コロナウィルス(COVID-19)の世界的感染拡大で、世界中の海上輸送の物流部門は、コンテナ船不足及びばら積み船(ドライバルク船)、タンカー、自動車船といった全ての船種の海上貿易に悪影響を及ぼしており、特に年末商戦向けの荷動きが激しくなる第3四半期の海上輸送部門は、カオス状況に陥ると見込まれている。

特にブラジルと中国間の海上輸送運賃は、過去最高水準まで高騰している。今年7月の中国からの輸入ルートの平均海上輸送運賃は、昨年7月の7.35倍まで高騰を記録しているとLogcomexは説明している。

上海-サントス港の20フィートコンテナの海上輸送運賃は、昨年8月の1500ドルから1万1000ドルに達して過去最高を記録したが、海上運賃の高騰はしばらく続くと予想されている。

中国からの輸入品貨物の海上輸送運賃の高騰だけに留まらず、今年3月からヨーロッパからのコンテナ貨物の海上輸送運賃も3倍に高騰している。

米国からの海上輸送は正常運航していたが、過去数週間にアジアから北米への海上輸送の玄関口である米国西海岸の港湾で、コンテナ取扱量の増加が続いており、メキシコ湾岸からのコンテナ貨物の海上輸送運賃にも影響が出始めている。

今年3月に起きたスエズ運河の正栄汽船(愛媛県今治市)所有の大型コンテナ船「エバーギブン」座礁事故による100日間の運航停止、中国の貨物取扱量が3位の宁波市Ningbo港湾での労働者のCOVID-19感染による港湾ターミナルの1週間以上の閉鎖などの要因で、現在の世界の海上輸送は巨大な暴風圏に突入している状況に陥っている。

米国の経済回復が牽引して世界経済の回復に伴って、世界貿易の活性化で海上輸送による貨物取扱量の増加で、海上輸送運賃の高騰及び遅延が発生しているとSolve Shipping社のLeandro Barreto氏は指摘している。

大手海上貨物取扱企業は、海運業者と海上輸送運賃で長期契約を結んでいるためにそれ程影響は受けないが、短期のスポット契約の海上輸送運賃が高騰しているとHapag-Lloyd社のLuigi Ferrini副社長は指摘している。

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