機械金属部会並びに自動車部会合同の第二回オンラインフォーラムは、2021年8月27日午前9時から10時15分まで約120人が参加して開催、進行役は森谷伸晃フォーラム委員長が務めた。
初めに機械金属部会の山田佳宏部会長は、テーマ「2021 年度上期の振り返り 並びに今後の展望」。副題~回復基調の継続と懸念材料と題して、初めに47社で構成される部会の主要登録メンバー会員企業の事業分野、コロナ禍の時系列的な部会企業への影響として、コロナ初期の昨年3月は、COVID-19ショックで生産、販売全てでダメージ、ホームオフィス及び日本への一時退避帰国による夜勤勤務体制。昨年7月は先行き不透明感にも関わらず、ICT活用によるリモートアクセス、低金利・レアル安、保護貿易に向けた世界的な動き。今年はコロナ禍で落ち込んだ昨年を上回る予想と説明した。
また鉱工業生産の推移、土木建設指数、粗鋼生産、電力消費、石油製品。紙パルプ、工場用設備・制御機器。建設機械、ポンプ・エンジン・コンプレッサー等、工作機械・工具、自動車関連について説明した。
纏めでは、総じて当部会企業関連の業界は回復基調にあるものの、 2022年大統領選や新型コロナの今後の状況といった要素に加えて、機械産業等、ブラジル産業全体で生産資材の調達難・価格高騰という状況。多くの部品の需給が逼迫、海上・交通輸送ともに大混雑、物流コストが大幅に上昇。一方コロナ禍で製造現場・生産設備のデジタル化、リモートオペレーション、産業ロボット活用等の新規ビジネス機会もあると説明した。
続いて自動車部会の佐藤修氏は、テーマ「2021年上半期の振り返りと今後の展望」では、過去20年間の四輪・二輪の年間販売台数推移、月間販売推移、生産台数や輸出台数の推移、中古車市場が全体を牽引、トラックやバス除くブランド別シェアの推移では、業界全体が在庫不足の中、影響が軽微だったFiatがトップ。在庫不足のGMは3位へ。Fordはブラジルでの生産撤退で、シェア急落し10位。ANFAVEAでは、部品供給不足の影響は来年2Qぐらいまで続くと予想。半導体など部品供給の遅れは変動要因で今後も注視と説明した。
自動車業界の足元の事業運営上の懸念として、COVID-19対応では感染回避と安定稼働。サプライチェーンでは船手配、輸送費高騰、半導体不足。為替レアル安継続では海外部品購入価格高騰、現調化の必要性。材料費高騰ではブラジル鉄鋼価格。インフレ進行、労務費アップでは商品価格への転嫁。電動化動向では電動車・バイオ・コンベエンジンなど将来予測。政治動向では2022年大統領選を指摘した。
長期テーマ・日系企業としての対応として、自動車政策 Rota 2030。Proconve 排ガス規制。 モビリティサービス CASE。カーボンニュートラル・電動化。税体系簡素化及び日-メルコスールEPAについて説明。最後にオフロード車の排ガス規制についての質疑応答があった。