今年の銀行の収益性は改善もCOVID-19パンデミック以前には戻らない(2021年9月1日付ヴァロール紙)

イタウーウニバンコ銀行、ブラデスコ銀行、サンタンデール銀行並びにブラジル銀行のデーターを基にしたMcKinsey社の調査によると、2020年の4銀行の収益は、COVID-19パンデミック対応の膨大な貸倒引当金の手当てで収益性が悪化していた。

昨年のこれら4銀行の「自己資本利益率」または「株主資本利益率」と言われる平均ROE(Return On Equityの略)は、14.3%と2010年から統計を取り始めて以降では最低のROEを記録していた。

今年上半期の4大銀行の平均ROEは17.1%に上昇したにも拘らず、過去の平均ROEの18.1%を依然として1.0%下回っている。ブラジルの大銀行の平均ROEは、昨年のブラジルの銀行システムの平均ROEである11.5%を遥かに上回っていると中央銀行の銀行経済レポートで判明している。

今年は、COVID-19ワクチン接種の加速化、ブラジルの国内経済の回復、オンライン銀行業務の活用拡大で、銀行システムの平均ROEは回復すると予想されている。

フィンテック関連銀行によるフィンテックサービス拡大によるマーケットシェア争いが激化しており、マーケットシェアを独占していた大銀行が過去に記録していた収益率を確保するのは、非常に難しいとFitch社のClaudio Gallina取締役は指摘している。

2017年のイタウー銀行の銀行リスクのスプレッドは15.5%であったが、政策誘導金利の過去最低レベルへの低下やブラジルリスクの低下で、イタウー銀行の現在のスプレッドは13.0%まで縮小している。

UBS銀行は、今年のブラジルの大銀行の平均ROEを15.7%、2022年の平均ROEを15.8%と予想している一方で、Safra銀行では、今年のイタウー銀行並びにサンタンデール銀行の平均ROEを18.5%、ブラデスコ銀行は17.5%、ブラジル銀行のROEを13.0%と予想している。

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