旱魃並びに霜害は今年の穀物生産の記録更新の障害要因(2021年9月9日付エスタード紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の9月の穀物生産調査によると、2021年のブラジル国内の穀物生産は、過去数か月間の降雨不足による旱魃並びに南部地域や南東部地域の霜害の影響で、前回予想よりも1.0%減少の2億5,170万トンに下方修正されたが、次回の穀物生産調査では更なる下方修正の可能性も否定できない。

ブラジル地理統計院(IBGE)の今年の穀物生産の月間予想調査によると、4月~8月迄過去5か月間連続で下方調整されており、過去の記録更新の可能性は皆無に近いと同院農産物生産システム担当のCarlos Alfredo Guedes部長は指摘している.

今年の穀物生産が前年割れを起す可能性は、2018年の前年比マイナス4.7%の2億2,750万トン以来4年ぶりの前年割れの可能性があるにも関わらず、今年の穀物生産は、過去最高記録を更新した昨年の2億5410万トンに次ぐ2億5,000万トン前後が見込まれている。ブラジル地理統計院(IBGE)が穀物生産調査を開始した1975年のブラジルの穀物生産は僅か3,900万トンであった。

今年の国策面積は前年比4.3%増加の6,830万ヘクタールに拡大したにも拘らず、前年割れをおこす要因として、トウモロコシの第二期作の生産は、前年同期比マイナス19.4%の6,170万トンに留まったことが大きく影響している。

また今年の豚や鶏の飼料向け黍生産は、前年比マイナス13.8%の240万トンに留まると予想されている。豚や鶏の飼料の70%占める国産トウモロコシの価格が上昇しており、質は劣るが価格の安い近隣諸国からのトウモロコシの輸入が増加傾向を示している。

今年の大豆生産は、前年比10.1%増加の1億3,380万トンで記録更新が見込まれており、米生産は、前年比4.3%増加の1,150万トンが見込まれている。小麦生産は、主産地の南大河州で収穫期に好天に恵まれれば31.8%増加の820万トンが見込まれている。

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=27715