Evergrande Groupの破綻危機の影響で、ブラジル企業の海外での資金調達に障害(2021年9月21日付エスタード紙)

中国の不動産開発大手、恒大集団(Evergrande Group)が、巨額の債務を抱えて経営破綻すれば、海外での新興国やラテンアメリカ諸国の資金調達が困難になると予想されている。

3000億ドル超の負債を抱える中国恒大は、流動性危機に直面しており、金融機関やサプライヤーへの支払いに向けた資金調達に追われている。23日には8350万ドルの社債利払いが期日を迎える。

10社以上のブラジル大企業は、2022年の大統領選を前に、来年の海外での資金調達が難しくなる前に、年内の海外での社債発行などで資金調達を見込んでいたが、恒大集団の倒産危機で資金調達がより困難になると予想されている。

一方今月7日、ブラジル航空大手のGOL航空は米航空大手デルタ航空と長期提携契約を発表。デルタがGOLに1億ドルを出資し、役員も派遣。米国―ブラジル間を含む共同運航便を運営するほか、顧客サービスなどを含め広範に協力で合意している。GOL社は償還期間が2026年の社債発行をする。

恒大集団の190億ドルに達する債務再編が現実味を帯びつつあり、今月20日が銀行ローンの利払い日となっているが、支払いは行われない様子であり、Ashmore社, BlackRock社並びにUBS社は、恒大集団に大口出資をしている。

昨日20日のブラジルの社債や国債、貸付債権などの信用リスクに対して、保険の役割を果たすデリバティブ契約の5年物のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は、先週金曜日の180ポイントから20ポイントに相当する11.0%急増の200ポイントに達している。

恒大集団の倒産危機の影響で、中国向け輸出企業は、国際コモディティ価格の下落や中国の需要減少で大きな影響が見込まれているが、特に鉄鉱石の国際コモディティ価格下落でヴァーレ社並びにナショナル製鉄所の収益悪化が見込まれている。

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