半導体供給不足で今年の自動車生産は50万台減産の可能性(2021年9月28日付エスタード紙)

今年上半期の自動車生産は、昨年3月から始まったCOVID-19パンデミック対応で、各自治体の要請による感染防止のために自動車生産を余儀なくされていた。

今年はワクチン接種拡大や経済回復に伴って、パンデミック前の2019年の生産レベルに戻ると予想されていたが、特に世界的な自動車向け半導体の供給不足で、各自動車メーカーは生産調整を余儀なくされている。

今年の自動車生産は半導体の供給不足で最低24万台、最高で50万台以上の減産を余儀なくされるとブラジル自動車業界関係者は予想している。ブラデスコ銀行経済研究・調査部の調査によると、今年のブラジル国内の自動車生産は、アジアからの半導体や主要部品の供給体制崩壊で、37万台~52万台の減産を余儀なくされると予想している。

全国自動車工業会(Anfavea)は、半導体供給不足による影響で、今年の自動車生産を24万台~28万台減少すると比較的楽観的な予想している。

全国自動車工業会(Anfavea)では、今年上半期の自動車生産を前年同期比10万台と予想していたが、アジア地域でのデルタ異変株拡大で、半導体以外の部品供給が悪化してきている。

先週三菱自動車のゴイアス自動車工場では、半導体の供給遅延で新車生産の中止を余儀なくされている。またトヨタのマレーシア自動車工場では、ブレーキ部品の供給不足でカローラ車の10日間の生産停止を余儀なくされている。

27日ワーゲン社は、サン・ベルナルド・ド・カンポス工場の自動車生産を10月6日迄停止すると発表。またサンパウロ州タウバテ工場では、Gol車並びにVoyage車の2生産ラインのうち1生産ラインを短期間での半導体供給が不明瞭なために停止すると発表している。

今年7月及び8月の乗用車の生産台数は、過去18年間で最低記録更新の一方で、同時期のトラック生産は、過去8年間で最高記録を更新している。

今年9月のスカニア社は12日間に亘って操業停止を余儀なくされた。またボルボ社のクリチーバ市のトラック生産工場では、特定の部品供給不足で製造ラインの時短操業を余儀なくされている。

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