中銀はSelic金利を一挙に1.5%引上げて7.75%に決定(2021年10月28日付けエスタード紙)

27日中銀の通貨政策委員会(Copom) は、インフレ圧力上昇並びに歳出上限を無視する臨時歳出政策の導入伴って、政策誘導金利(Selic)を1.50%引上げ7.75%に決定、ジャイール・ボルソナロ政権では最高のSelic金利レベルに達している。

今年のインフレ指数は10%突破が濃厚となっており、また前政権の家族手当(ボルサ・ファミリア)プログラムに替わるブラジル救済(Auxílio Brasil)プログラム向けの400レアルの財源確保のために、インフレ指数の計算方法の変更による歳出上限変更で特別委員会で合意した。

ジャイール・ボルソナロ政権は、大統領選挙の年に当たる2022年で自身の再選を最優先させるために、836億レアルに相当する歳出上限の上乗せで、政府内の政治的な駆引きを行ってきていた。

中銀の通貨政策委員会(Copom) は、10%を突破するインフレ指数や大統領選挙を見据えた歳出上限変更の導入でSelic金利の大幅な引き上げを余儀なくされたが、来年は新たなリセッションに突入可能性が指摘されている。

今回の1.5%のSelic金利の引上げは、Covid-19パンデミック中に過去最低となる2.0%のSelic金利時から6回連続での引上げを記録している。

過去最低となる2.00%のSelic金利から3回連続で0.75%引上げ、その後は8月及び9月の通貨政策委員会(Copom) は、それぞれ1.0%引上げていた経緯があった。

今年10月のインフレ指数は、1995年から統計を取り始めて最高のインフレ指数が予想されており、過去12か月間の累計インフレ指数は、10.34%と二桁台に乗せている。

過去最高のSelic金利の引上げ幅は、フェルナンド・エンリケ・カルドーゾ政権下の2002年にSelic金利を22.0%から25.0%と一挙に3.0%引上げたが、今回のSelic金利の1.5%引上げは、2017年10月以降では最高の引上げ幅となっている。

今年最後の中銀の通貨政策委員会(Copom) は12月に開催されるが、Copom議事録では、再度のSelic金利の1.50%の引上げを示唆しており、今年末のSelic金利は9.25%になると予想されている。

中銀では、今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)を前回予想の8.50%から9.50%、2022年のIPCAは3.7%から4.1%にそれぞれ上方修正したが、2023年のIPCAは3.2%から3.1%に下方修正している。

MoneYou e da Infinity Asset Managementサイトでは、インフレ指数を差引いたブラジルの実質金利は、5.96%と世界最高水準に復活、ロシアは4.77%、トルコ3.46%となっている。

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