10月の鉱工業部門生産は前月比マイナス0.6%(2021年12月3日のエスタード紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の鉱工業部門生産調査(PIM)によると、2021年10月の鉱工業部門生産は、前月比マイナス0.6%を記録、今年7月から5カ月間連続で前月割れを起こしている。

ブロードキャストプロジェクションの調査では、10月の鉱工業部門生産の最低予想はマイナス0.7%、最高予想は1.8%、平均予想は0.7%増加から大きく外れる結果となっている。

また今年10月の鉱工業部門の累計生産は前年同月比マイナス7.8%、今年初め10カ月間の累計生産は5.7%増加、10月の過去12カ月間の鉱工業部門の累計生産も前年同期比で5.7%増加を記録している。

今年7月から10月までの5カ月間の鉱工業部門の累計生産はマイナス3.7%を記録、Covid-19パンデミック前の昨年2月の水準を依然として4.1%下回っているとブラジル地理統計院(IBGE)調査担当のAndré Macedo部長は指摘している。

今年10月の鉱工業部門生産調査の部門別調査では、調査対象の4部門の内3部門でマイナスを記録、またセクター別調査では26セクターのうち19セクターでマイナスを記録している。

10月の鉱工業部門生産は前月比マイナス0.6%、前年同月比マイナス7.8%、今年初め10月間の累計は5.7%増加、10月の過去12カ月間の累計生産は5.7%増加を記録している。

前記同様資本財部門は2.0増加、8.4%増加、34.1%増加、32.1%増加、中間財部門はマイナス0.9%、マイナス6.3%、4.6%増加、4.8%増加を記録している。

また消費財部門はマイナス0.6%、マイナス14.0%、2.1%増加、2.0%増加、そのうち耐久消費財部門はマイナス1.9%、マイナス27.8%、7.1%増加、7.2%増加、非耐久消費財部門はマイナス1.2%、マイナス10.3%、0.9%増加、0.7%増加を記録している。

今年10月の鉱工業部門生産が依然としてマイナスを記録している要因として、輸入品の海上輸送費やコンテナの高騰、半導体や電気部品の世界的な供給不足など生産コストの上昇、在庫不足による生産調整などが余儀なくされている。

今年10月の鉱工業部門生産では、特に鉱業セクターは前月比マイナス8.6%、食品セクターは、マイナス4.2%とそれぞれ大幅な減少をきたして足枷となっている。

鉱工業セクターの90%を占めていた鉄鉱石や石油の国際コモディティ価格の下落がネガティブなインパクトを与えており、食品セクターは、中西部地域から南部地域にかけての天候異変によるサトウキビの収穫時期の前倒しによる砂糖の生産減少、中国向け牛肉輸出は、最大の供給元であるブラジルのBSE(牛海綿状脳症)による輸出停止したことが大きく影響している。

また今年10月の鉱工業部門生産のマイナス要因として、機械・装置セクターは前月比マイナス4.9%、電気材料・装置セクターマイナス5.6%、繊維セクターマイナス7.7%、金属セクターマイナス1.9%、機械・装置据付・保守セクターマイナス21.6%、木材関連セクターマイナス6.6%、衣類・アクセサリーセクターマイナス4.1%、自動車・輸送機器セクターマイナス0.8%、医薬品・医療化学セクターはマイナス2.4%を記録している。

 

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