ジェトロ・サンパウロ事務所主催のブラジル投資セミナー

ジェトロ・サンパウロ事務所主催のブラジル投資セミナーが、12月5日午後4時から開催、日本から42人の経済ミッションが参加、フルラン開発商工相やレイレーレス州科学技術開発長官が講演した

講演するフルラン開発商工相

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ジェトロ・サンパウロ事務所(桜井悌司所長)主催のブラジル投資セミナーが、12月5日午後4時からインターコンチネンタル・ホテルで開催、日本から経済 ミッション42名、在サンパウロ日系企業代表60人が参加、ルイス・フェルナンド・フルラン開発商工相やジョアン・カルロス・メイレーレス州科学技術開発 長官が講演した。

ジェトロ・サンパウロ事務所の二宮康史調査部長が進行役を務め、初めに来賓者が紹介され、その後JYETRO-APEXの協力関係強化のためのMOU締結式が行なわれた。

経済ミッション団長の塚本弘ジェトロ副理事長、ファン・キロスAPEX総裁並びに西林万寿夫サンパウロ総領事がそれぞれ挨拶を行なった。

フルラン開発商工相は「ブラジル経済の見通しと新しい投資機会について」と題して講演、国土面積が400万平方キロメートル以上、人口が1億人以上で GDPが5000億ドル以上の3つの条件を満たしている国は、ブラジル、米国、ロシアと中国だけであり、ブラジルはローカル用ジェット機の世界最大の製造 国であり、世界4位の鉄鋼輸出国、世界に先駆けた全国選挙での電子投票やインターネットでの税金払戻しが99%に達していると説明した。

また3万1,000キロメートルにおよぶラテンアメリカ最大の鉄道網、世界3位の170万キロメートルの道路網、年間7,500万人が利用する67空港、 現在54の港湾で年間5億トンの貨物を取扱っているが、2007年には7億トンに拡大、BRIC‘s諸国で最も整備されたインフラなどを強調 した。

また拡大するGDPや工業生産高、伸び続ける貿易量、先端技術やソフト開発、コントロールされたインフレ、プライマリー収支黒字の 拡大、投資コストの減少、民間及び公共への良好な投資環境、工業開発への国家評議会やエージェンシーの設立など投資の誘致を心がけており、半導体、ソフト ウエア、医薬品、バイオテクノロジー、ナノテクやバイオマス分野への投資環境も整っていると述べた。

再生エネルギー資源である砂糖キビから作られるエタノールは、1バーレル相当30ドル前後で生産できる。その他にクリーン開発メカニズム(CDM)による温室効果ガス排出権取引も有望な投資先であると説明。

最後にフルラン開発商工相は、グラフを用いてブラジル工業生産高の推移、貿易バランス、輸出先地域および内訳、日伯間貿易、経済成長率、海外からの直接投資の推移などを説明し講演を終えた。

続いてメイレーレス州長官は「投資市場としてのサンパウロ州の魅力」と題して、サンパウロ州の面積はブラジル全土の3%を占めるに過ぎないが、人口の 22%、工業生産高の41%、輸出の42%、輸入の43%、クレジット・オペレーションの68%を担っており、サンパウロ州政府は1995年から投資対象 に減税を実施しており、米国、ドイツ、スペイン、ポルトガルが主に投資を行なっていると述べた。

またサンパウロ州政府は官民合同プロジェ クト(PPP)として、地下鉄4号線建設、バーラ・フンダ駅からクンビッカ国際航空へのエクスプレス・トレインの建設、サン・ジョゼ・ドス・カンポス市を 経由してカンピーナス市とカラグアタツーバ港を結ぶ新しい輸出用回廊、農産物をサントス港やセバスチャン港から輸出するための統合ロジスティックセンター の建設をあげた。

サンパウロ州のポテンシャルとして、石油化学、自動車、機械・装置、航空機などの輸出は他州を圧倒しており、オレンジ ジュース、エタノールや砂糖輸出は世界ナンバーワンであると強調、110万人の大学生、大学院卒業生の60%、600万人の中等教育学生数、5ヵ所のテク ノロジー開発センターなど人的資源でも他州を圧倒していると説明して講演を終えた。

最後にFIESPのロベルト・ジアネッティ国際関係・ 貿易担当理事は「FIESPから見た日伯経済関係」と題して、80年代から90年代前半にかけて、不安定なブラジル経済、終始しないハイパーインフレ、国 際経済では80年代の金融危機などで日伯の経済関係は20年近く停滞していた。

しかし1994年以降のブラジルは、レアルプラン採用で通貨が安定し、1999年には為替を変動性相場制に移行、鉄鋼・鉱業・電力・通信・銀行や石油化学などの分野で盛んに公社を民営化して、海外投資家にも市場経済の開放を推し進めた。

また海外投資家に対して金融取引の簡素化、メルコスールへの加盟、メルコスール-EU間FTA交渉、WTOへの加盟、米州自由貿易機構(FTAA)の加盟 交渉、日本とのFTA早期締結など自由貿易協定の締結に積極的に取組んでおり、また税制や労働法の改革、官民合同プロジェクト(PPP)によるインフラ整 備も積極的に進めており、日本の投資家には非常に魅力ある州であると強調して講演を終え、ブラジルはタイトル「世界のパートナー」の投資誘致促進フィルム を紹介した。

田中信会頭は現代ブラジル事典をフルラン開発商工相に贈呈し、商工会議所の懇親昼食会に招待した

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