花卉栽培見学会 感想文(その1)

美しい花と美味しい野菜の栽培
-農家の陰の苦労を知るー

 

 商工会議所のコンサルタント部会が主催した<家族一緒に週末を楽しもう>の人気企画に参加した。第一回目からずっと参加しているが、今回のイビウーナ日系農家巡りは、長らくコンサルタント部会の部会長を務めて下さった桜井悌司氏(サンパウロJetro所長)と美代子御夫人とのお別れという余韻やら名残欲しさも手伝って、ひとしお思い出深いものとなった。又、在サンパウロ西林万寿夫日本総領事と御夫人の思いがけない参加もあって、文字通り、お花見学の上に、一段と華を添えて下さった。

 見学後の感想をひと口で言えば、日系人の営む特に近郊農業は、日本への出稼ぎが始まった90年初期から急速に下り坂を辿ってきたように伝えられているが、どうしてどうして、やり方によっては、というよりも、必死に工夫に工夫を重ねてきた日系農家に限っては、今でも充分に活気とやる気を保っていて、日々の農作業と生計を立派に立てることが可能であるという事実である。日本移民百周年をもうすぐ目前に控えて、農業を原点として出発しただけに、とても大事な事柄である、と考えた。

 営農の工夫とや創意ということの他に、石に、いや、土に噛り付いてでも、生き残りを賭けるんだ、という固い意志も併せて汲み取ることが出来て、大変嬉しく、安心もした。余談みたいになるのを少しご勘弁いただいて、ブラジル国内でも、リオとかサンパウロの大都会などへの出稼ぎに出て行かないで、そのまま、地元の東北伯に踏み止まっている人たちの方が、出稼ぎに出て行く人たちよりも、よりまじめな生き方をしているそうである。昨年の文協の役員選挙で初の女性副会長が誕生したが、その御本人である杓田美代子さんも、立派に胡蝶蘭を手広く経営していて、今回の私たちの見学の対象になり、<むべなるかな>、と思ったものである。

ソールナッセンテ社 赤嶺尚由代表

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=30586