建設不動産部会のセミナー「ブラジル、アパートの選び方、住み方」

建設不動産部会のセミナー「ブラジル、アパートの選び方、住み方」が11月21日午後3時から開催、女性11人を含む40人が参加してアパート建設のプロ達の話に納得していた

◆ フォトギャラリー

建設不動産部会(阿部勇部会長)主催のセミナー「ブラジル、アパートの選び方、住み方・・・なるほどアパルタメント エン サンパウロ」が、11月21日 午後3時から商工会議所会議室に女性11人を含む40人が参加、5人のアパート建築のプロの話しに納得したり、質問会では盛んにアドバイスを求めていた。

阿部部会長がセミナー開催の挨拶を行い、進行役は大滝氏が務め、初めに濱氏が「ブラジルのアパートの建設事情」と題して、アパート建設から販売まで、購入 方法、住宅情報誌・チラシ/新聞からの情報入手などについて説明し、最後に2004年末に前市長が制定したアパートや商業ビルの建築面積にガレージを含む サンパウロ市の建築基準法が今年9月に否決され、今は建設ラッシュになっていると説明した。

続いて大滝氏が「アパートの選びポイント及び賃貸契約のチェックポイント」と題して、アパート購入を考えている人は、不動産屋と一緒に数多くのアパートを 訪問して比較すること、騒音や治安チェックのために夜間や休日のアパート周辺の状況チェック、またアパートは通学路近くであり、出入り口の防犯体制、非常 階段、日当たりや外観、室内ではスペース、収納庫、換気やガス設備、配電盤やシャワーなどのチェックをアパート選びのポイントと指摘した。

また賃貸契約のチェックポイントとしては、契約書の内容、家賃の更新方法及び調整のための経済指数チェック、契約期間の決め方、罰金の規定、現物破損時の規定や毎月支払うコンドミニアム代、ごみ回収費や都市家屋不動産税(IPTU)など詳細にチェックすることを薦めた。

南氏は「アパートのセキュリティ」と題して、ふんだんにアパート周囲の写真を見せながら、鉄柵、電気鉄線、有刺鉄線や照明センサーの長短所を説明、守衛室 への防弾ガラスの使用、ガレージへの二重扉、ビル全体への監視モニター、最近の集団アパート強盗の侵入を防ぐために、契約ガードマンによるアパート外での 出入り管理チェックが増えてきたと防犯傾向を説明した。

阿部部会長と西村氏が「アパートに多 い不具合場所、補修について」と題して、初めに阿部部会長が、写真で水漏れによる天井のはがれ、タイルのはがれや屋上のアンテナの固定周りの水漏れについ て説明し、西村氏は窓周辺の漏水、外壁のヒビなどの原因やブラジルの窓の特徴として捨て枠の使用、ガラスが外せない、ガラスはパテで固定されていると日本 との大きな違いを述べ、遮音性向上にはガラスを厚くしても効果が薄く、厚手のカーテンやカーペットを敷くと効果テキメンと説明した。

続いて大滝氏は「アパートの内装工事のポイント」について、ブラジルでもインテリアゼザイナーには女性が多く、注文が厳しくてよく泣かされると笑いを誘 い、床仕上げではメーカーにより色に相違があり、出来れば同じメーカーの塗料を使うこと、賃貸アパート内の改装は家主の同意を得ること、アパートの共有部 分は勝手に改装できない、一般家具はテオドーロ・サンパイオ街、アンティク家具はアルコ・ヴェルデ街やトレーゼ・デ・マイオ街に集中していると説明した。

また日本では耐震対策として外壁のブロックの使用を禁止されているが、ブラジルは穴あきレンガを積み木のように積んでいくだけであり、柱や梁の幅や鉄筋の 太さ、本数が日本より格段に少なくてよい、日本では日照権が問題になるが、ブラジルでは家具などの日焼けを避けるために室内を暗くしているので問題になら ないと説明した。また修理などは信頼関係で家主と口約束して支払うと、その信頼関係は確実に裏切られて泣きをみるので、修理前に書類として残しておくこと を忘れないようにアドバイスした。

講演後の質問会では、ブラジルに於けるアスべスト問題、アパート購入時期、お勧めの地区など多岐にわたり活発な質問が飛んだが、さすが建設のプロはテキパキと適切なアドバイスし、参加者は納得して帰った様子であった。

講師は阿部戸田建設社長、大滝ホス建設取締役、南デ二ブラ・エンジニアリング社長、濱小林住宅副社長、西村YKK専務取締役(順不同)

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=31210