業界裏話し満載の食品部会が、部会長懇談会を前に開催された
05年度第1回食品部会(疋田和三部会長)が、21日午後3時より当会議所で行われ、食品業界の裏側を垣間見た。
疋田部会長の進行役で部会が始まり、いま話題になっている30数年かかってやっと輸出したブラジル産マンゴーが、熟度が均一でなく、日本の厳しい品質条件に合っていないと評判が芳しくなく、日本市場に食い込むことの難しさが、まず始めに話題に上がった。
また日本食ブームで、醤油や日本酒の消費が、家庭の内外を問わず増えている。どこのシュラスコ・レストランでもすし・さしみが用意されており、毎年醤油の消費が伸びてきている。
またブラジル人の間で清酒の新しい飲み方である酒カイピリ-ニャなどのバチーダ(果樹酒)が広がってきており、清酒の売上も伸びてきた。サンパウロ市内の日本食レストランは600軒と飽和状態にあり、特徴のないレストランの淘汰が始まっているのではないか。
本当に美味しいお鮨を食べさせる伝統的な純和風レストランか、生演奏を聞きながら極彩色のカリフォルニア巻きやフレンチやイタリア風のシェフェ創作日本料理への2極化が進んできた。
2005年の展望として、現在のレアル高は日本酒などの輸入が主力の当社にはプラスになっており、今後の為替変動に対するコストに影響しない体制作りが急がれる。
2004年度のコーヒー国際価格は20%の上昇、国内市場も9%の成長をした。また2005年もコーヒーの国際価格が上昇しており、コーヒーメーカーには好材料が揃っている。
ただし大手スーパーへの納入では、あの手この手でスーパーのバイヤーに苛め抜かれ、“大手スーパーのバイヤーの顔は世界のどの国でも同じ顔をしており、グローバリゼーション・スタンダード化が進んでいる”ことに、参加者は全員頷いていた。
また東北伯に進出する大手スーパーから、初回はプロモーションのためにタダ同然で商品の出荷を強制してくるが、営業努力をすることなく販路を広げるメリットもあり、いじめっ子と共存しなければならないのもこの業界の特徴である。
エキスや香料などを日本に輸出している輸出企業は「2004年の日本の猛暑に助けられ好調だったが、石油高に伴う運賃の上昇、コンテナ不足やストライキの 影響などでコストが上がった。2005年度は引続き堅調と予想されるが、為替が最大の懸念材料と述べ、「ISO22000(食品安全規格)」、2006年 施行予定の「食品残留農薬ポジティブリスト制」で、益々品質管理体制の必要性が高まってきている」と述べた。
参加者は疋田和三部会長(三井アリメントス)、尾崎英之(東山農産)、廣田達也(伊藤忠)、永野昇二(San-Ei Gen)、上田達生(サンパウロ総領事館領事)、平田藤義(商工会議所事務局長)の各氏。