昨日、国際的な格付け会社フィッチ・レーティングスは、ブラジルのソブリン格付けを1段階引き上げ、投資適格級のBBBマイナスとして、スタンダー ド&プアーズ(S&P)に続いて投資適格級に格上げしたが、ムーディーズは海外投資家にとってはブラジルへの投資は未だに慎重を要すると格上げを見合わせ ている。
金融市場は格上げに対してすぐに反応して、ドルは1.09%下落のR$1.637レアルで1999年以来のレアル高となり、カントリーリスクも7.2%下落の192ポイントと大幅に下げた。
しかし昨日は石油の国際コモデティ価格が3.37%下落のバレル当たり126.62ドルになった影響及び前日にサンパウロ平均株価(Ibovespa)が3.0%上昇していたことも平均株価の1.85%下落につながった。
金融スペシャリストは中長期的には株価の上昇を見込んでおり、WestLB銀行では年末の株価を8万1,000から8万2,000ポイント、南米投資会社では8万ポイントを見込んでいる。
しかしインフレ抑制政策として政策誘導金利(Selic)の引上げが確実視されており、また更なる格上げには社会保障院(INSS)の膨れ上がる赤字の解消、GDP比に対する公共負債比率の低下など困難な問題も抱えている。
国際投資ファンド及び年金ファンドなどは投資適格級の格付けされた国に投資を行なうために、今回のブラジルの格上げでブラジル国債などへの投資が大幅に増加すると予想されて、投資残高現在の2倍近くまで増加すると見込まれている。
世界の金融市場の投資金総額は120兆ドルと予想されており、そのうちの40兆ドルが安全確実な投資を行なう投資ファンドの資金であり、その95%の38兆ドルが投資適格国に投資を行ない、その2%がブラジルに投資される可能性がある。
ブラジルと同じBBB-はクロアチア、インド、ウルグアイ及びヴェネズエラはBB-、ボリビアB-、エクアドールCCC、アルゼンチンは最下級Dの1ラ ンク上のRDにランク付けされており、最高のAAAはドイツ、カナダ、米国及びフランスとなっている。(2008年5月30日付けエスタード紙)