ドイツのポツダム市で開催されていた世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)をめぐる米国・欧州連合(EU)・ブラジル並びにインドのG4協議は、21日に焦点の市場開放と農業補助金削減で暗礁に乗り上げて決裂、WTOが目指す7月末までのラウンド合意は難しくなってきた。
米国は農業補助金の大幅削減の見返りに、途上国の製造業・サービス業及び農業部門の市場開放を要求しているが、ブラジルとインドは製造業部門での開放が充分に妥協できないと反対して対立していた。
農業補助金では米国は225億ドルから170億ドルまでの削減を主張しているが、削減は理論だけで、実質的には補助金の増額が可能であり、ブラジル・EU並びにインドは、米国の補助金の140億ドルまでの削減を主張している。
米国及びEUは発展途上国の工業製品に対する輸入関税の58%の削減を主張しているが、インドおよびブラジルは50%以上の削減は受入れられないと主張している。
また米国はEUの農業製品輸入関税の65%、ブラジルおよびインドは53%の削減を主張しているが、EUは39%までの削減は受け入れると主張してそれぞれ平行線を辿っており、アモリン外相は米国及びEUは事前に打合せしてきており、ブラジルとインドに責任を転嫁していると交渉の場を離れた。
イタマラチー宮と全国工業連合(CNI)はG4協議決裂で、早々に軸足を多角的貿易交渉からメルコスルと二国間貿易協定を結ぶことを優先、南アフリカとの優遇関税協定から開始、またメキシコとインドとも貿易協定を更に深める予定をしている。(22日付けエスタード紙)