5月29日の経済情報

>>ドル安の為替は中小企業も海外投資

 ドル安の為替が継続している現在、中小企業も大企業に次いで海外での投資を活発化してきており、企業の国際化に拍車がかかるが、結果的に地政学的リスク分散となっている。

 今年第1四半期のブラジル企業の海外での投資は、昨年同期比57.5%増加の52億ドルと大幅に増加、企業にとっては市場の拡大や効率アップにつながるが、国内の雇用減の可能性に結びつく。

 履物製造のウエスト・コースト社は、ドル安の為替で価格競争ができないために、ブラジルからの輸出に見切りを付けて、アジアもしくはグアテマラのようにラテンアメリカに輸出拠点を検討しているが、海外での生産開始で350人が雇用を失う。(29日付けヴァロール紙)

>>LGがマナウス・フリーゾーン撤退か

 マナウス・フリーゾーンで家電を製造してテレビのマーケットシェアトップのLG社が、商品流通サービス税(ICMS)の免税優遇策の中止及び5年に遡ってICMSの課徴金の支払いを裁判所から命じられ、マナウス・フリーゾーン撤退の岐路に立たされている。

 マナウス・フリーゾーンのICMS優遇策には、古い制度である2011年までの100%の免税、2012年から70%の減税及び最高90.25%までの減税で2023年には減税の恩典がなくなる新制度があり、フリーゾーンの製造メーカーの98%は新制度を適用していたが、フィリップス及びセンピ・東芝は、LGに太刀打ちできなくなっていた。

 LG社ではTV,エアコン、音響装置やDVDなどをフリーゾーンで製造していたが、製造許可の州登録も停止されたために、他州への移転かアルゼンチンのテーラ・デルフォーゴフリーゾーンへの移転を検討している。(29日付けエスタード紙)

>>世界銀行は金利切り下げ幅増加を予想

 国内外の良好な経済シナリオに支えられて、ブラジル経済が好調を持続して、今後数ヶ月間はSelic金利切下げ幅が拡大すると世界銀行は予想しており、1月に発表された経済成長加速プログラム(PAC)も後押しして、今年の経済成長率を4.2%、来年は4.1%、2009年は3.9%を見込んでいる。

 PACプログラムでは今後4年間に2,400億ドルが投資され、米国の国内需要低下による輸出減の予想にも関わらず、ブラジル経済の好調維持で金利の切下げ幅が拡大する。

 しかし世界銀行では多くの発展途上国の上がり過ぎた株価の調整の可能性を指摘しており、アルゼンチンのここ4年間の株価は525%、ブラジル520%、コロンビア517%、エジプト760%、ペルー522%及びロシアが538%と軒並み5倍以上となっており、海外投資家からの投資引上げや減少の可能性を指摘している。(29日付けエスタード紙)
 
>>第1号のPPPプロジェクト開始

 初めての官民合同プロジェクト(PPP)による道路建設となるミナス州ベロ・オリゾンテ郊外とサンパウロ州を結ぶ州道MG−050の改修工事が、プロジェクトを落札したエキパヴィ-ベルチングループによって開始される。

 同グループは25年間に7億1,200万レアルを投資して、道路の拡張、補修など372キロメートルの州道を管理するが,6ヵ所に料金徴収所を設置して投資を回収する。

 投資は5段階にわたって行われ、初めに491万レアルを投資して、州道の補修、信号や排水の整備、2億6,300万レアルを投資して道路の拡張工事を行なう。(29日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

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