5月16日の経済情報

>>ドルはR$1.98で6年ぶりにR$2.00を割った

 昨日のドル値は午前中から下がり始めていたが、中銀が午後3時になってやっと4億2,500万ドルのドル介入をしたが、終値は2001年1月以来のドル安となるR$1.982となった。

 今後もドル値はR$2.00前後で推移すると予想されているが、バネスパ銀行の金融スペシャリストは、力強い世界経済の成長、ブラジルの好調な輸出、高止まりしているコモデティ価格、改善されてきた国内経済ファンダメンタルズ、多様な通貨に対する世界的なドル安などのシナリオで、年末のドル値をR$1.90を予想している。

 ブラジル政府はドル安による輸出不振や不正規輸入製品増加で、繊維・衣料、履物並びに家具業界に対して、緊急工業政策を発表する準備をしていたが、自動車及び造船部門に対しても、生産能力拡大のために同政策を適用する。

 緊急工業政策のベネフィットは減税、社会経済開発銀行(BNDES)の融資枠の拡大及び早急な融資、最大35%までの輸入税(II)の適用などとなっている。

 輸出関連企業を中心に中銀の通貨政策に対して不満の声も大きいが、安い輸入製品、割安な海外旅行やインフレ抑制、輸入企業にとってはコスト減少、輸出業者にとっては良質な輸入材の使用、格安な輸入機械・装置の設備投資で生産性が高くて、価格競争に強い輸出製品製造が可能になる。

 しかし履物や繊維製品のように、労働者の賃金に左右される業界にとっては、ドル安は国内外共に製品の価格競争力で後塵を浴びなければならない。(16日付けエスタード紙)

>>違法コピーソフト使用が減少

 昨年の個人の違法コピーソフト使用率は、前年よりも4%低下の60%となり、調査対象の102カ国中で最も低下率が大きかったが、ブラジルの昨年のソフト業界の違法コピーソフトによる損害は11億4,800万ドルと算出されている。

 ブラジルはラテンアメリカ地域では、コロンビアの59%に次いでコピーソフトの使用率は低いが、昨年のラテンアメリカのコピーソフト平均使用率は、前年の68%から66%に低下したが、世界平均の35%よりも大幅に高くて、損害は31億ドルに達すると見られている。

 米国のコピーソフトの使用率は21%で最も低いが、昨年の損害額は73億ドル、中国では最近の3年間で10%低下したが82%、ロシアは7%低下の80%まで下がったが依然として高率であり、ヨーロッパ連合36%、中東60%、アジア・太平洋55%で、昨年の違法コピーソフトによる世界の損害総額は、400億ドルに達すると見られている。(16日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

>>ブラジルの紙・パルプ生産の収益性は世界トップ

 ブラジルの植林栽培技術は年々向上してきており、2005年の紙・パルプ事業に対する収益性はn10%で世界平均の6%を大幅に上回っていたが、昨年は13%と世界平均の2倍以上となり、世界の製紙・パルプ生産のトップになる可能性が増加してきた。

 ロシアではパルプ生産に対する課税リスクの増加、中国はユーカリ植林技術の不足、欧米では同事業への投資の放棄などで、ブラジルにとっては今後の紙・パルプ業界の見通しが明るいうえに、地理的に害虫の影響を受けないのも好条件となっている。

 ブラジルのクーロン苗や植林技術の向上で、ユーカリ伐採まで7年かかっていたが、今では4年後に伐採できるまでになったが、輸送ロジステックが唯一のネックとなっている。(16日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
 
>>第1四半期の小売は9.7%増加

 3月の小売業界は上昇している実質賃金、安定した雇用並びに金利の低下で、前月比1.1%、前年同月比11.5%、第1四半期は9.7%とそれぞれ増加、第1四半期としては2002年以来の好調を記録した。

 またドル安の為替でコンピューター及び周辺機器、衣料製品なども価格が低下してきて、益々内需に拍車がかかってきており、今年の小売業界は昨年の6.2%増加を上回ると予想されている。

 今年のイースターが4月初めであったために、3月中にイースター関連製品が購入されたことも小売部門の売上げに寄与したが、3月のスーパーの小売は食料品、飲料や嗜好品関係が4.8%と大幅に増加した。

 3月の小売は前年同月比では、コンピューター及び周辺機器が24.9%、自動車・部品18.5%、家電・家具18.1%、服地・衣類・履物9.9%、書籍・印刷物9.3%、石油・潤滑油7.0%、医薬品・化粧品5.7%、建築材料4.4%それぞれ増加した。(16日付けエスタード紙)
 

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