>>住宅ブームはセメント消費を回復
2003年から2005年にかけて、不況にあえいでいたセメント業界は不況に、昨年から回復の兆しが見えてきており、今年1月に連邦政府が発表した経済成長加速プログラム(PAC)による住宅及びインフラ整備部門へのテコ入れで、セメント消費拡大を期待している。
今年の第1四半期のセメント消費量は、前年同期比3.12%増加の600万トンで今年は5.0%増加を予想、昨年の3,950万トンを超える4,000万トンが予想されているが、1999年の消費量には届かない可能性がある。
今年のセメント消費の牽引車は、中産階級向け住宅購入クレジットによる住宅建設部門であるが、ブラジルのセメント会社の58セメント工場の生産能力は6,200万トンであり、増産には充分対応できる。
セメント消費拡大にはインフラ部門の拡大が不可欠であり、中国ではセメント消費量の40%はインフラ部門であるが、ブラジルは僅かに18%であり、2005年のブラジルの1人当りのセメント消費量は194キロであったが、中国では800キロであった。(7日付けヴァロール紙)
>>今年のサラリーコストはドル換算ですでに13%増加
益々強くなるレアル通貨で輸出の減少及び格安な輸入製品の増加で、労働力の比率が製品の30%と高い履物や皮革は悲鳴を上げており、今年に入ってサラリーはすでにドル換算で13%も上昇している。
昨年の工業界の労働時間は2.8%上昇で生産性は2.5%上昇したが、今年初めの2ヶ月間のコストを含めたドル換算のサラリーは16.5%も上昇しており、生産性を改善しても、ドル安の為替では価格競争力を更に減少させている。
ルーラ第一次政権の4年間のドル換算サラリー上昇率は73%、実質サラリー上昇率は22.3%、今年2月のドル換算の平均サラリーは523ドルで、昨年をすでに10.7%も上回っている。(7日付けヴァロール紙)
>>2010年までは社会保障院の負債が減少
2010年までの好調な経済成長率予想及びサラリーの上昇で、社会保障改革を行なわずに社会保障院(INSS)の負債が減少すると、社会保健省では連邦予算基本法(LDO)に織り込んでいる。
今年のINSSの負債は、GDP比2.03%相当の455億レアルを見込んでいるが、2010年までに毎年10%の支出増加にもかかわらず、サラリーの上昇及びスーパーレセイタによる厳格な徴収で年平均13%の収入増加を見込んでおり、GDP比0.6%相当上昇するために、2010年の負債はGDP比1.44%の425億レアルと予想している。
この負債減少には今年の経済成長率4.5%、2008年から2010年の3年間は,年平均5.0%のGDPの伸び率及び今年の11.49%のサラリー上昇、来年は12.88%、2009年及び2010年は12.64%のサラリー上昇によるINSSへの収入を見込んでいる。(7日付けエスタード紙)