4月5日の経済情報

>>レアル高に歯止めがかからない

 4日のレアル通貨はR$2.034まで上昇して、1994年6月のレベルとなり、いつR$2.00を突破するのか憶測が飛んでおり、中銀ではドル下落には唯一、貿易黒字収支黒字の減少しかないと見ている。またカントリーリスクも163ベーシックポイントとなって、これまでの最小値を記録した。

 またレアル値の上昇阻止のドル購入のために、3日と4日連続で償還期間が2017年の外債を発行、3月だけで70億6400万ドル、第1四半期では総額218億4200万ドルに達しており、これは昨年1年間のドル介入の64%に相当するが、今年の第1四半期のドルは3.51%上昇している。

 インフレ懸念が遠ざかっているにもかかわらず、政策金利は相変わらず世界1であるために、海外からキャリートレードとして金融市場に大量のドルが流入しており、更にレアル通貨を強くしている。

 ドル安で恩恵を受けているのは、輸入製品急増で国内競合製品価格が低下してインフレを抑制する効果があり、レアル高で安価な輸入材料使用により恩恵を受けているセクターもある。またドル安で海外への旅行客が急増しており、最終12ヶ月間の海外旅行客は60億ドルを海外で消費した。

 しかしレアル高で輸出製品の価格競争力が低下、輸出企業にとっては収益性が圧迫されてきており,3月の最終12ヶ月間の輸出額は、前年同期比では2001年以来初めて前年を下回った。また国際競争にさらされている国内の履物や衣類業界や輸出企業を中心に35万人が職を失っている。(5日付けエスタード紙)

>>海外ファンドが発展途上国の農地を買い漁っている

 バイオ燃料ブームも追い風になって、海外の大型ファンドが南米、ロシアやウクライナの農地を買い漁っており、米国ではエタノール原料のトウモロコシ栽培で農地が高騰してきた。

 カリフォルニア州職員退職年金基金のCarpers基金は1億4000万ドルを投資して、パラナ州やサンタ・カタリーナ州に2万2000ヘクタールを購入、そのうちの1万3888ヘクタールはアラウカリア(パラナ松)植林地である。

 フランスのPergamファイナンスは、ウルグアイやアルゼンチンの管理の悪い農場を買収して近代化を進めており、ブラジル国内の農場買収も検討している。

 米国ではエタノール原料のトウモロコシ栽培用農地拡大で、昨年は農地価格が平均15%上昇、1ヘクタール当たり4000ドルであるが、アルゼンチンでは70%も価格が安い。またロシアやウクライナでは農産物栽培の最適地が1ヘクタール当たり400ドルで購入できるので、海外ファンドは大いに注目している。(5日付けヴァロール紙)
 
>>2月の設備投資用機械・装置部門は16%の伸びを記録

2月の設備投資用機械・装置などの資本財製造業を中心に鉱工業は前月比0.3%、前年同月比3.0%、今年初めの2ヶ月間では3.8%増加して、生産能力アップのための工業用投資部門の活性化の兆しが出てきている。

 今年初めの2ヶ月間の資本財製造部門は16%増加したが、資本財輸入も31%増加、また中間財製造は3.3%、耐久消費財製造は輸入製品急増で0.7%増加に留まったが、2月はマイナス2.9%となった。非耐久消費財製造部門は1.7%増加している。

 為替の影響で輸入品が急増している自動車製造はマイナス5.8%、セルラーマイナス7.2%、白物家電がマイナス26.9%とそれぞれ大幅に生産低下となったが、セルラーは海外での競争力を失っている。(5日付けエスタード紙)
 

 

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=33118