ブラデスコ銀行のオタビオ・バーロス取締役をゲストに迎えて3月の懇親昼食会を開催

経済通でよく知られているブラデスコ銀行マクロ経済調査担当のオタビオ・バーロス取締役をゲストに迎えて、3月12日の懇親昼食会はマクソウドホテルに102人が参加して開催された。

司会は平田藤義事務局長が務め、初めに講演者で特別ゲストのオタビオ・バーロス取締役、大部一秋総領事を紹介、代表者交代では在伯3年の三菱重工業の大隈広視社長が帰国挨拶、後任の西岡信之社長は社内では羨望の的のブラジルに就任できたことを着任の挨拶とした。

連絡事項ではジェトロ・サンパウロセンターの佐々木光所長のかわりに平田事務局長が3月17日午後2時から4時30分まで、会議所大会議室で開催される「金融危機後の米国、メキシコの政治・経済・マーケットに関する勉強会」の参加を案内した。

3分間スピーチでは異業種交流委員会の和田亮委員長が昔の中小企業委員会から同委員会になって4年になり、ブラジルでの生活を豊かにするために知識や経験豊富なスピーカーの話は非常に参考になるために、特に企業の若い人の参加を促して、またスピーカーの募集を案内した。

日伯援護協会の森口忠義イグナシオ会長はビデオで社会福祉センターのチェックアップセンターの施設を紹介、リべルダーデ区は非常に交通の便がよく、最新の医療機器をそろえているために、会員や家族の利用を依頼した。

青年会議所のファービオ・カワウチ氏は企業経営MBAコースの案内ではパウリスタ法科大学との提携、企業の金融経済MBA,新企業会計、新企業経営、戦略マーケティング、JCI会員への割引などを説明、エミレーツ航空のクラウス・ベッカー取締役はドバイ経由によるサンパウロ-東京便の快適なビジネスクラス、ファーストクラスをビデオで紹介、アイセック東京大学委員会の藤原芽偉氏はリーダーシップをとれる国際人の養成のために、企業の日本の学生の受け入れを依頼、3社の企業が研修生の受け入れを決めたことに対してお礼を述べた。藤原さんは3月25日までサンパウロに滞在、コンタクト先は mei_fujiwara19@yahoo.co.jp

バーロス取締役の講演に先立ち中山立夫会頭を歓迎の辞を述べ、「世界を取り巻く環境とラテンアメリカ ~ブラジルが牽引 」と題して、今後の世界経済の見通し、先進国の国内総生産(GDP)は低成長で今後4年間の平均GDP伸び率は1.5%、発展途上国は5.9%、世界経済の中心は欧米からアジアとダイナミックな発展途上国へ移行、2020年にはG-7の世界に占めるGDPは32%に減少するが、エマージング7カ国は現在の28%から39に上昇すると説明した。

中国の2020年のGDPシェアは17.8%に上昇して米国の17.6%を逆転、今年のエマージング国の人口は85.1%に対して先進国は14.9%、金融危機後のエマージング国の消費、鉱工業生産は大幅増加に対して、先進国は減少して回復が遅れている。

先進国の自動車販売は減少してきているが、エマージング国は大幅に増加、輸出も拡大、ブラジルのエマージング国への輸出は拡大、日本や米国への輸出シェアも拡大を続けており、世界の銀行ランキングでは1位、2位が中国、3位のHSBC銀行がJPモルガンを上回っている。

ドルとユーロの為替変動の推移、現在のドル通貨は歴史的に下落、今後のドルの見通し予想、昨年のユーロ圏内のGDPはマイナス4.0%であったが、今年は1.6%予想、GDPに対する財政負債の増加、ギリシアの財政負債の推移、中国、ドイツ、フランス、イタリア、スペインのGDP予想、大幅なGDP伸び率が予想されているインド、韓国、南米ではペルー、コロンビア、ウルグアイが増加するが、ベネズエラはマイナス成長の可能性を説明した。

金融危機で昨年の平均コモディティ商品価格がマイナス32.7%と大幅に下落したが、新興国を中心に世界経済の回復に伴って、今年は20.6%の価格上昇を予想、今年のバレルあたりの石油価格は昨年の61.8ドルから86.4ドル、来年は96.2ドルを予想されている。

ラテンアメリカ諸国の共通点として昨年のGDPはペルー、アルゼンチン、コロンビアがプラス、ブラジルとチリは僅かなマイナスに留まったが、欧米諸国は軒並みに大幅なマイナスを記録した。

今年のブラジルのGDPは6.0%とペルーの5.5%、メキシコ4.2%、アルゼンチン3.7%、チリ3.6%、コロンビア3.2%、をそれぞれ上回ってラテンアメリカ諸国を牽引、ブラジルの昨年の輸出はメキシコに次いで2位、外貨準備高は2408億ドルと2位のメキシコの914億ドルを大幅に上回る。

メキシコの輸出の80%以上は米国一辺倒であるが、ラテンアメリカ諸国の輸出は先進国や新興国と多岐にわたっており、域内の貿易も活発で需要が拡大を続ける中国との貿易も今後ますます盛んになり、中国との貿易の比重が拡大を続けているが、米国との比重は減少の一途となっている。

ブラジルの米国向け輸出は2008年までトップであったが、昨年は中国向けがトップになり、ヨーロッパ向け輸出も減少、ブラジルの中国向け輸出比率は大豆、鉄鉱石、原油なパルプを中心に増加、中国からの輸入の比重も増加してきて、両国関係は更に重要となってきている。

ラテンアメリカ諸国の財政赤字はおしなべてPIIGSと呼ばれるヨーロッパ諸国よりも健全であり、投資適格級の格付け、アルゼンチンとベネズエラ以外は低い債務デフォルト、流入する対内直接投資、上昇するコモディティ価格、高いGDP伸び率、豊富な天然資源などラテンアメリカにとっては今後数年間の経済成長が可能であり、2014年のワールドカップ、20106年のオリンピックの開催が決まっているブラジルが牽引すると講演を終了、中山会頭から記念のプレートが贈呈された。

オタビオ・バーロス取締役の講演プレゼンテーション「世界を取り巻く環境とラテンアメリカ ~ブラジルが牽引 」

左から記念プレートを受取るブラデスコ銀行マクロ経済調査担当のオタビオ・バーロス取締役/中山立夫会頭(fotos Rubens Ito/CCIBJ)

100人以上が参加した懇親昼食会の様子

オタビオ・バーロス取締役と記念撮影

 

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