【ブラジル経済情報】 速報 6月30日
ルーラ大統領と竹中平蔵総務相が地上デジタル放送規格の日本方式採用で調印式でサインした
29日にブラジリアでルーラ大統領と来伯中の竹中平蔵総務相は、ブラジル政府の地上デジタル放送規格の日本方式採用で調印式でサインした。
ブラジル政府はブラジル独自の地上デジタル放送方式開発に4,000万レアルを投資してきたが、最終的にはヨーロッパ方式、アメリカ方式及び日本方式の最も優れた方式採用に切替、激しいデットヒートを展開していたが、技術的に最も優れた日本方式が採用された。
覚書には放送局のデジタル放送設備設置完了後1年6ヶ月以内の地上デジタル放送開始が明記されているが、コスタ通信相はサンパウロ市でのデジタル放送はすでにテスト済みであり、今後6ヶ月から8ヶ月以内にサンパウロ市から放送開始されると予定を述べていた。
テレビメーカーでは1年3ヶ月以内のデジタル放送開始を見込んでおり、それに合わせてデジタルテレビ出荷を予定しているが、今後10年間で880億ドルの売上げを見込んでいる。
ルーラ大統領は日本方式採用で日本からの技術協力で、90年代に電子部品や半導体メーカーがブラジルから撤退、最先端技術開発やソフト開発が止まっているブラジルの工業界の再活性化に期待している。
日本方式採用に大きく寄与したコスタ通信相は7月末までにはブラジル電子工業開発協力及び人材開発のためのグループを両国技術者で構成すると説明した。(30日付けエスタード紙)
今年第1四半期の投資はGDP比20.4%
今年第1四半期のブラジルの投資は、GDP比20.4%で前年同期比9%の大幅増加、昨年1年間でもGDP比19.9%であった。これは2001年の20.6%に次ぐ大型投資となっている。
この投資増加は第1四半期GDPが3.4%増加して、4,789億レアルに達したことが要因であり、今年の投資増加率を5.8%から7.8%、またGDP比20.5%にそれぞれ修正したが、第2四半期の投資は前四半期比マイナス1.2%に落込むと応用経済調査院(Ipea)では予想している。
GDP増加は内需が大きく寄与したが、内訳は一般家庭消費2,778億レアル、連邦政府支出846億レアル、輸出748億レアル、部門別ではサービス業2,483億レアル、鉱工業1,686億レアル、農畜産347億レアル、製品関連税543億レアルとなっている。(30日付けエスタード紙)
FRBはFF金利を0.25%上方修正した
米連邦準備制度理事会(FRB)は29日、前日に続いて開催した連邦公開市場委員会でフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%引上げて5.25%にすることを全員一致で決定した。
米国経済はインフレ圧力がかからない程度の成長を維持しており、金利引上げサイクルの終焉が予想され、世界金融市場には安堵感が広がり、世界中の株式市場では株価を上げた。
サンパウロ平均株価(Ibovespa)は4.74%と大幅に上昇、カントリーリスクは5.38%下げて246ポイント、ドル値も2.12%下げてR$2.173になった。またブラジル外債BR-40は1.46%上昇して額面の123.65%、A-Bondも1.3%上昇して105.30%になった。(30日付けエスタード紙)
アラクルースは12億ドルでパルプ製造工場建設
アラクルース社は南大河州ポルト・アレグレ市近郊に12億ドルを投じて年産130万トンのパルプ工場を建設、2010年からの操業を予定している。
この新工場の操業で6億ドルの売上げを見込んでおり、同社のパルプ生産は年産180万トンに増加するが、原材料のユーカリを同州南部に10万ヘクタール植林する。
しかし今年3月にユーカリのモノカルチャープランテーションに反対するグループが、同社の苗研究所に侵入してユーカリ苗を破壊した。世界中でユーカリ原料のパルプは300万トン生産されており、パルプ生産の29%を占めている。(30日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
コールセンターが再び成長路線に
コールセンター部門は再び成長路線に乗ってきており、ブラジルテレサービス協会の調査では64%のコールセンターでは利用客が増加、67%は雇用増加を検討している。
ブラジルの経済成長率が3%から4%増加すれば、コールセンター利用客は10%増加、経済成長率が5%から5.5%に達すれば、利用客は15%増加する。
1997年から1998年にかけて急増した電話通信部門の民営化時には年間25%増加したが、民営化が一段落した1999年以降は急落し、2004年は5%の増加に留まっていた。
ブラジルのコールセンターの53%はアウトソーシングを利用しているが、米国では14%、フランス28%にとどまっており、大半は自社でコールセンターを運営している。(30日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
【ブラジル経済情報】 速報 6月29日
ブラジルの生活費は南米で2位
ブラジルの生活費は114.2%で平均よりも14.2%高く、南米10か国中ではチリに次いでおり、ウルグアイ,ヴェネズエラが平均以上であったが、最も生活費が安いのはボリヴィアの53.8%でほぼ平均の半分であると世界銀行の調査結果であった。
またブラジルの家族単位の生活費は平均以下の90.5%で6位となっているが、1996年は4位にランクされていた。トップはアルゼンチンの161.3%、続いてチリ、ウルグアイ、ヴェネズエラが平均以上であった。
調査結果によるとブラジルの家電製品、医薬品、書籍・印刷物、電話料金は南米で最も高いが、コーヒー代やレストランでの食事代は最も安い。また教育費や医療代は平均よりも26.2%、履物・衣類13.9%、住居費32.8%、交通費17.8%、電力、ガスや燃料費は35.6%高い。
ブラジルは人口が多くて生活費が高いが、所得格差が激しいので貧困層の生活費が非常に低い。また金利高による生活費が高くて消費が落込んでいる。(29日付けエスタード紙)
ロドリゲス農務相が辞任
ロベルト・ロドリゲス農務相は、連邦政府の農業改革における土地所有権優先順位の執拗な批判や農業政策に対する失望や考え方の相違などに疲れ果てて、27日夜にルーラ大統領に辞任を申出て受理された。
ロドリゲス農務相は最近の農業は40年年間で最悪の危機に陥っており、ここ2年間の農業収入は累計300億レアルも落込んでいると語った。
今年5月に発表した農家保護政策で、今年が返済期限の負債に対する延払い拒否による農務相に対する批判で神経をすり減らしていたことなどの蓄積も辞任の引き金となっている。
ロドリゲス農務相の在任3年半の間には、遺伝子組換え大豆の作付け許可、バイオ安全委員会での品種改良のための遺伝子組換え許可、アグロビジネスの牽引役や連邦政府の農務関係のブロクラシー批判などを盛んに行う実務的政治家であった。(29日付けエスタード紙)
コロンビアISA社がCTEEP落札
民営化が先延ばしされていたサンパウロ州政府のパウリスタ電力公社(CTEEP)は、コロンビア資本ISA社が最低価格よりも57.69%上乗せした11億9,000万レアルで落札し、同公社の50.1%の株式を占有して経営権を手にした。
入札にはISA社とイタリア系Ternaパルティシパソンエス社が参加、Terna社は10億5,000万レアルをオファーしていた。入札前日にはCPFL社及びBrascan社が入札中止を求めて訴権していたが入札は実施された。
CTEEP公社はサンパウロ州内に1万1,780キロメートルの送電線、3万8,500MVAの能力を持つ102ヶ所の変電所、ブラジルの1/3に相当する1207億KWhのエネルギーの送電能力を所有している。(29日付けエスタード紙)
農業危機で農薬業界の売上げは10%以上の落込み
農産物生産不振などによる農業収入の減少で、農薬業界の今年の売上げは10.8%減の37億ドルに留まると予想されている。
作付け面積の減少に伴い農薬の使用量も減少、農薬売上げの50%を占める大豆の作付け面積は10%減の1,999万ヘクタールで最近5年間で最も少ない。また大豆農家は負債支払い交渉を植え付けよりも優先しており、農薬購入を先延ばししている。
Basf社の営業担当者は大豆の豊作であった時は、農薬の売上げの30%は上半期であったが、今年は僅かに10%に留まっており、今年5ヶ月間の売上げは18%落込んでいるが、例外は砂糖キビへの農薬売上げが11%増加した。(29日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
【ブラジル経済情報】 速報 6月28日
砂糖キビからのエネルギーは水力発電エネルギーに接近してきた
2005年のアルコール生産量は前年比7.7%増加して、ブラジルのエネルギー源比率の13.9%で3位、2億1,860万トンの石油に相当する。
ブラジルのエネルギー源比率のトップは石油の38.4%、2位が水力発電の15%で、砂糖キビによるエネルギー源比率は僅かに1.1%下回っているに過ぎない。
1970年に始まった国家アルコール計画(Proalcool)は2005年には744%の増産、年平均21.3%の増産に相当し2010年には水力発電を超えると予想されている。
2009年までにはフレックス車が500万台を超えると予想されているが、2010年のアルコール生産量は現在の2倍に相当する280億リットルが見込まれている。
また抽出したアルコール以外にも砂糖キビの搾りかすや茅なども利用すれば、2,000MWのエネルギー源の確保が可能であるが、現在は500MWの発電に留まっている。
2005年度ブラジルのエネルギー源の内訳は、再生不可能エネルギー源が1億2,100万トンの石油に相当し、そのうち石油が8,400万トン相当、天然ガス2,040万トン、石炭1,390万トン、ウラン鉱260万トン、再生可能エネルギー源が9,770万トンで、そのうち水力発電3,270万トン、砂糖キビ3,040万トン、木材・木炭2,860万トンに相当する。(28日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
ルーラ大統領は公共投資で大判振る舞い
ルーラ大統領は10月の大統領選挙を見据えて、今年上半期の公共投資部門への連邦政府支出を、昨年同期比65.7%増加の46億4,700万レアルの大判振る舞いの投資を承認した。
この投資額はルーラ大統領候補が盛んに非難した、カルドーゾ前政権の2002年上半期の公共投資額40億レアルを上回っている。
今年上半期の部門別投資では、運輸省関係11億8,500万レアル,保険省6億8,180万レアル、国防省5億4,430万レアル、教育省4億6,520万レアル、国家統合省3億2,290万レアル、農務省1億2,310万レアルであった。
道路網緊急補修工事として、「穴埋め作戦」を展開しているが、一雨降ると元の状態に戻る無駄な投資なども実施しているが、運輸及びロジスティック部門のメインテナンス及び拡張には年間33億レアルの予算が必要である。(28日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
ボリヴィアの輸入天然ガス価格は6%値上げ
3カ月おきに国際石油価格に基づいて見直されるボリヴィアの輸入天然ガス価格は、7月1日から配給会社向け6%値上げをペトロブラスは発表した。
天然ガス価格調整率は、南麻州、サンパウロ、パラナ、サンタ・カタリーナ及び南大河州でそれぞれ取決められる。サンパウロ州のガスブラジリアーノ配給会社は12月,コンガス社及びガスナツラル社は来年5月から調整される。
南大河州のスルガス社では、工業用及び自動車用天然ガス価格は来月から4.5%、商業及び住宅用天然ガスは7.5%それぞれ値上げされる。
2005年9月から5回目の価格調整であるが、ボリヴィアとの間では10%値上げを受入れたが、配給会社と輸送費1.7ドル/100万BTUsを折半しているので6%の値上げに留めている。(28日付けエスタード紙)
ミタル・スチールのアルセロール買収で業界再編
ミタル・スチールのアルセロール買収で、世界シェア10%をコントロールし、世界鉄鋼業界再編に拍車がかかると予想されているが、ヨーロッパでは英国系CORUS社とドイツ系チッセンクルップ社の合併が予想されている。
ブラジルではローカル製鉄会社が連合でブラジル・スチール社を設立する可能性も否定できないが、それぞれがファミリー企業であり統合は難しいと予想される。
業界アナリストは有望な鉄鉱石鉱山カーザ・デ・ぺドラを所有するナショナル製鉄(CSN)への買収・合併なども否定できない。またチッセンクルップス社やジョイントヴェンチャーでブラジルに進出しているカナダ系Dofasco社は製鉄会社の買収・合併に食指を動かしている。(28日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
【ブラジル経済情報】 速報 6月27日
クレジット部門は1年間で22.6%増加
5月のブラジル金融業界のクレジット部門は2.7%増加、最終1年間では22.6%増加の6,547億レアルを記録、これはGDP比32.6%に相当する。
中銀の発表によると、5月の個人向け融資部門の90日以上の支払い遅延は、4月の7.4%から7.6%に上昇、法人向け融資部門では前年6月の1.7%から2.4%に上昇している。
また5月の個人向け融資の年利は、前月から1.1%下げて43.9%に減少して、2002年9月以来の低利となっている。
特に給与天引き型融資の年利は3%低下の62.3%、自動車ローンも0.8%低下の33.3%、耐久消費財購入ローンは0.3%低下の58.1%、特別小切手の年利は変動なく145.4%となっている。(27日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
Varig Logがヴァリグ航空買収に
ヴァリグ航空の買収問題が混沌としている中、ヴァリグログ社が手付け金2,000万ドルのうち800万レアルを先積みして、買収に名乗りを上げた。
ヴァリグログはペトロブラス石油配給公社と滞納しているジェト燃料支払い期限の7月への先延ばし交渉開始した。
ヴァリグログ社は28日に、詳細なヴァリグ航空買収プランをリオ州高等裁判所に提示する。(27日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
今年のセルラー電話輸出は10億ドルを超える
今年5ヶ月間のセルラー電話の生産台数は1,315万5,000台、輸出総額は11億1,600万ドルで昨年同期の9億200万ドルの24%増加、また台数では9%増加を記録した。またセルラー電話のへイ金価格は昨年の85ドルから95ドルに上昇している。
輸出先ではヴェネズエラが昨年の1億1,700万ドルから3億1,900万ドルに急上昇したが、米国は昨年の2億6,500万ドルから2億4,000万ドルに低下して2位にランクを下げた。
アルゼンチンは昨年比24%増加の2億2,800万ドル、ヨーロッパ連合諸国は昨年同期比87%減の2,000万ドルに急降下した。昨年1年間のセルラー電話輸出は3,290万台で24億ドル、そのうち米国向けが980万台で7億9,000万ドルを輸出した。
ブラジルのセルラー電話生産はノキア、サムスング,グラデエンテ、シーメンスなどのメーカーが集中しているマナウス自由貿易港およびモトローラ、ソニー、キョーセラ、LGなどのメーカーがあるサンパウロ州に二極化されている。(27日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
輸出に占める工業製品比率が上昇
1996年の輸出総額に占める工業製品比率は10.8%の388億レアルであったが、2004年は20.4%の2,395億レアル、また95品目の工業製品うち85品目で輸出増加を記録したとブラジル地理統計院(IBGE)は発表している。
ブラジル企業の輸出比率増加は1999年の為替暴落を引き金に、2000年から増加しだしたが、2002年の世界好景気サイクル突入及びコモデティ価格の上昇も追い風となった。
大企業の輸出比率は1996年の74.1%から2004年には80.8%まで上昇したが、中規模企業の輸出比率は20.7%から13.7%に減少したが、小規模企業は5%を維持している。
部門別輸出比率では動植物油は輸出比率の9.8%でトップ、食肉・魚肉9.5%、鉄鋼・金属8.4%、自動車・トラック7.7%、鉱物7.1%となっている。
2000年のサンパウロ州の工業製品生産比率はブラジル全土の46.3%を占めていたが、2004年は41.1%まで低下したものの、ブラジル工業界の牽引車に変わりはなく、ミナス州が2位、南大河州、リオ、パラナ、パラー州と続いている。(27日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
貿易収支黒字幅が減少
6月第4週の貿易収支黒字は5億1,500万ドルで、6月の累計貿易黒字は24億8,000万ドルが予想されており、昨年同月の40億3,400万ドルよりも黒字幅が減少する。
6月第4週の輸入総額は19億8,300万ドルで、第4週までの累計は58億800万ドルで1日平均3億2,940万ドルで昨年同月比29.4%、前月比10.2%とそれぞれ大幅に増加している。
6月第4週までの輸出総額は82億8,800万ドル、1日平均5億1,800万ドルで前年同月比11.7%増加前月比でも10.9%増加している。また今年の累計輸出額は577億5,400万ドル、輸入額は398億1,000万ドルで貿易収支黒字は179億4,400万ドルで昨年同期の189億7,000万ドルよりも黒字幅が減少している。(27日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 6月26日
今年第1四半期の商業部門は10.5%増加
今年第1四半期の商業部門のインフレ分を引いた実質売上げは、前年同期比10.5%と大幅増加したが、レアル高の影響を受けた工業部門は5.8%、サービス部門は2.6増加に留まった。
この3部門の第1四半期の総売り上げは1,270億レアルに達し、昨年同期比6%増加であったが、昨年の工業部門の対前年比は9.7%と大幅に増加したが、2004年の工業成長率はマイナス4.6%を記録していた。
また今年第1四半期の繊維工業部門は前年同期比マイナス2.1%であったが、鉄鋼部門は35.9%と大幅な落ち込みを記録した。
商業部門の売り上げ増加では、自動車や電機電子製品などの耐久消費財販売がクレジット販売で大幅に伸びて、自動車販売は24.7%、電気電子製品は18.4%それぞれ増加したが、サービス部門の電力消費は3.6%、電話サービス代0.3%の伸びに留まった。(26日付けエスタード紙)
アルセロールがミタル・スチールの買収提案を受容れた
世界鉄鋼2位のアルセロール(ルクセンブルグ)が世界トップのミタル・スチール(オランダ)からの買収提案を受け入れ、6月末の株虫総会で承認されれば、粗鋼生産で年産1億1,000万トンの巨大鉄鋼メーカーが誕生し、業界再編に拍車がかかる。
両社の合併で売上げは600億ドル、従業員は32万人で、アルセロール側9万6,000人、ミタル側22万5,000人となるが、ブラジルではアルセロール傘下にCST製鉄、Belgo-Mineira製鉄および Vega do Sul製鉄が新会社の傘下に入る。
現在の粗鋼生産量は世界トップのミタル・スチールが6,300万トン、2位アルセロール4,670万トン、3位は日本スチールの3,200万トンで、合併後は日本スチールの3倍以上になる。4位は韓国のポスコで3,050万トン、5位が日本の2,990万トン、上海宝鋼2,380万トン、USスチール1,930万トン、ブラジル資本ではゲルダウが14位で1,370万トンとなっている(26日付けエスタード紙)
海外への投資逃避が急増
ドル安で輸出競争力が低下しており、また欧州や米国との自由貿易協定の締結の遅れで国際的競争力を失っており、ブラジル企業が今年4ヶ月間に行なった海外への投資額は34億7,500万ドルに達し、同時期に海外からブラジルへの直接投資額47億4,800万ドルの70%に相当する。
しかし昨年までのブラジルから海外への投資額は、海外から流入する投資額の10%から25%に留まっていたが、今年になって会が池の投資に拍車がかかっている。
ゲルダウ製鉄1980年代にウルグアイに進出したが、米国、カナダ、アルゼンチンやチリなど海外に19ヶ所の製鉄所を擁しているが、国内製鉄所は11ヶ所だけである。また製鉄所近代化及びテクノロジー更新に18億ドルの投資を計画しているが、国内向けは6億ドルに過ぎない。
ドル安で輸出競争力がなくなったサンチスタ社の繊維部門はスペインに本部を移して、メキシコでの投資強化に拍車をかける。(25日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 6月23日
今年5ヶ月間の税収は1,543億4,000万レアル
今年1月から5月までの国庫局の税収は1,543億4,000万レアルで、インフレ分を除いた実質成長率は昨年同期比2.7%増加、また5月の税収は287億2,000万レアルで昨年同月比2.82%増加、5月の月間記録を塗り替えた。
しかし5月の税収は前月比17.94%減少したが、毎年4月は個人所得税の分割払いの一回の支払い及び一括払い、法人所得税の第1四半期分支払い及び純益に対する社会納付金(CSLL)支払いで税収が増加するために、5月の税収は前月比では減少する。
5月の前年同月比2.82%の増加は、所得税、輸入税及びCSLL税の増加が大きく寄与している。また国庫局では今年の税収は昨年比2%から3%増加を見込んでいる。(23日付けエスタード紙)
5月の実質サラリーが増加
5月の実質平均収入は1,027.80レアルで、2003年1月のレベルを超えたが、2002年12月に記録した1,066.97レアルのレベルには達していない。
5月の実質平均収入は前年同月比7.7%増加で、前年同月比では最高の上昇率となり、また前月比でも1.3%増加した。
また昨年12月から上昇を続けていた失業率も4月の10.4%から5月は11万3,000人が職を得て10.2%に下げたが、ブラジルの六大都市圏の失業者は226万人に達している。(23日付けエスタード紙)
サンパウロ州のエタノール精製工場建設が遅れている
サンパウロ州北部及び西部地域でのエタノールや砂糖精製工場45ヶ所の建設が予定されているが、環境ライセンス発行許可の遅れや操業用機械・装置の納入遅れで予定より大幅に遅れてきた。
エタノールや砂糖の国際商品価格の上昇で精製工場経営者は建設を急いでいるが、同地域での砂糖キビ栽培用借地料金は2倍に値上がりし、またヨーロッパ連合のブラジルの砂糖類輸入規制も頭の痛い問題となっている。
JPグループは9ヶ所目のエヴェレスト精製工場を今月中に操業する予定であったが、8ヶ月前にサンパウロ州環境浄化技術公社(Cetesb)に環境ライセンス申請したが、未だに許可が下りておらず、9月か10月からの操業を見込んでいる。(23日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
エスピリット・サント州は石油生産で2位
ペトロブラス社はエスピリット・サント州の石油生産量は日産10万バレルを達成して、リオ・グランデ・ド・ノルテ州を追い越して2位になった。
また6月20日には日産10万4,370バレルを達成、同州3ヵ所目のゴルフィーニョ鉱区からの石油生産開始前は、日産7万5,000バレルに過ぎなかった。
このゴルフィーニョ鉱区から生産される石油の85%は上質な軽質石油であり、ブラジルでは生産量の少ない軽質石油の輸入減少に繋がる。
またジュバルテ鉱区に設置された石油採掘プラットフォームP-34の操業開始は下半期が予定されており、年末には同州の石油生産は日産18万バレルに達する。2009年にはゴルフィーニョ鉱区でも石油採掘プラットフォームが設置され、更なる増産が期待されている。(23日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 6月22日
海外からの直接投資が減少してきた
中銀の統計によると6月1日から21日までの海外からの直接投資額は3億ドルに留まっており、今月は5億ドルの投資額になると予想されており、5月の15億7,600万ドルから大幅に減少してきた。
しかしレアル高継続で、先月の海外への利益送金額は20億300万ドルに達しており、前年同月の14億500万ドルを大幅に上回っている。
5月の経常収支は海外への利益送金増加で、4億7,500万ドルと中銀予想の6億ドルを下回った。プライマリー収支黒字はレアル高の影響を受けて30億2,700万ドルで、前年同月の34億5,000万ドルを下回った。
また今年5ヶ月間の海外からの直接投資額は63億2,400万ドルに達しており、今年は180億ドルの直接投資額が見込まれている。(22日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
ヴァリグ航空は50%のフライトをキャンセル
ヴァリグ航空買収のNVパーティシペイションは7,500万ドルの手付金支払いを優先するために、ドイツ行き海外便はルフトハンザ航空,アリタリア航空やデルタ航空に代便を依頼した。
また国内便はTAM航空が22日からブラジリア、ポルト・アレグレ、クリチーバ便に14便を増加して、ヴァリグ航空の欠航による影響を避けるが、21日はヴェリグ航空便356便のうち180便が欠航したため搭乗客に大きな影響を与えた。
23日に迫った手付金入金が出来ないときは、新たな入札が行なわれる可能性があり、その場合の最低入札額は8億6,000万ドルから1億ドルに下げられる可能性も見込まれている。(22日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
パラー州の鉱工業成長率は中国並
今年4ヶ月間のパラー州の鉱工業成長率は12%で全国平均を大幅に上回っており、パラー州のGDPは1997年から2003年に32%増加し、各州平均13%を大幅に上回る成長を持続している。
パラー州工業界の牽引は1982年に開始されたカラジャス鉱山開発であるが、鉄鉱石生産の操業開始後の雇用創出は僅かである。
パラー州の輸出額は同州のGDPの35%を占めており、全国平均14.8%を大幅に上回っているが、鉱物輸出が82.72%を占めており、30万人の雇用を創出する木材輸出と合わせると96.5%に達する。
今年4ヶ月間の輸入額は2億5,400万ドルで前年同期比153%増加しているが、輸入の80%は機械・装置やアルミ精錬のための原材料などである。(22日付けヴァロール紙)
【ブラジル経済情報】 速報 6月21日
ドル安で大企業の収益性が向上
Go4コンサルタント会社の15株式公開企業の調査によると、為替のドル安で負債が低減しており、今年第1四半期の利益は昨年同期比7.4%増加を記録しているが売上げは3.04%増加に留まっている。この期間のドル値は対レアルで17%下げている。
調査対象企業の10社は負債の50%以上が外貨であり、ヴァーレ社、CSN,ゲルダウ、AmBev,ブラスケン及びVivo社の負債の80%以上が外貨であり、この期間のペトロブラスの負債は58億レアル減少した。
またこの期間の負債総額は8.28%減少し、利子に付随するコストも44.70%減少した。(21日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
BNDES銀行は技術革新基金を設立
社会経済開発銀行(BNDES)はテクノロジー開発促進に資産1億5,300万レアルで技術革新基金を設立する。
これはブラジル企業の競争力増加を促進してグローバリゼーション化に対応するためであり、再生可能エネルギーのエタノール、ソフトウエア開発、半導体、バイオテクノロジー、医薬品部門などが主な対象となる。
同銀行は技術革新対象の融資ラインとして年利6%と長期金利(TJLP)及び1.8%までのスプレッドを設けている。(21日付けエスタード紙)
【ブラジル経済情報】 速報 6月20日
粗鋼生産量は10%減
今年1月から5月までのブラジル粗鋼生産量は、1月のナショナル製鉄所(CSN)第3高炉事故の影響で、昨年同期比10%減の1,209万トンであった。CSN製鉄はブラジルの銑鉄生産量の70%を担っているが、今週中の操業再開が見込まれている。
また5月の粗鋼生産量も9%減の274万トンであったが、今年5ヶ月間の粗鋼輸出量は4.9%増加の461万トンであった。
自動車工業界の需要の落込みも自動車用鋼板生産量の低下が見られたが、下半期の需要回復が見込まれており、今年の粗鋼生産量は昨年比3%増加を見込んでいる。(20日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
Bovespaでは海外投資家の売り越しを記録
今月14日のサンパウロ証券取引所(Bovespa)では、海外投資家の4億7,000万レアルの売り越しを記録、また先週の3日間の営業日だけで10億レアル以上の売り越しがあり、海外投資家のブラジルからの資金逃避が益々強まってきた。
米国金利上昇懸念が再燃する以前の5月10日の海外投資家の買い越しは、42億レアルであった。昨日のニューヨーク株式市場はインフレ、金利上昇懸念、北朝鮮のミサイル発射懸念や石油化学株の下落でマイナス0.66%、S&P0.91%、ナスダック0.92%とそれぞれ低下した。
また米国の食料品及びエネルギーを除いたコアの物価動向では物価安定の目安と考える上限をオーバーしており、来週には米国金利の上方調整の可能性が高く、最近2年間で17回連続の金利調整が予想されている。(20日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
メルコスル諸国経由で中国製衣類入荷
昨日に開催された第58回国際繊維工業展(Fenit)では、例年は春夏物コレクションで賑わうが、今年はブラジル繊維業界の危機を反映して、出展ボックスは例年の400店以上から、今年は僅かに280店が出展しているに過ぎない。
また同工業展で話題になっているのは、年間65億ドルの損害をブラジル繊維業界に与えている中国からの密輸繊維製品ではなく、輸入衣類比率30%を占めるメルコスル地域からの中国製既製服や衣類である。
関税面で優遇されているメルコスル加盟国のパラグアイ及びウルグアイは中国から既製服や衣類を輸入して、自国の現地証明札を貼り付けてブラジルへ輸出している。
ブラジル衣料協会(Abravest)では、連邦政府は中国との間で繊維製品に関する輸入で自主規制協定を結んだが、メルコスル経由の中国製既製服や衣類の輸入規制を要求していく。(20日付けエスタード紙)
3年間でウラン生産を3倍に増産
セアラー州サンタ・キテリアのウラン鉱山開発着手で、今後3年以内にブラジルのウラン鉱生産は年産400トンから1,200トンに増産されるとブラジル核関連産業(INB)は予測している。
現在、唯一のウラン鉱山であるバイア州南東部カエチテ鉱山の年産は400トンで、原子力発電所のアングラ1号、2号へウランを供給しているが、サンタ・キテリア鉱山の開発でアングラ3号へのウラン供給が可能となる。
ウラン鉱生産量ではカナダが年産12,000トン、オーストラリア6,000トン、カザキスタン4,000トン、ロシアが3,000トンから4,000トン、開発着手後のブラジルが1,200トンで5位に上昇する。
ブラジルでのウラン鉱開発投資では1995年に閉山となったミナス州ポッソ・デ・カウダスのウラン鉱山開発に1億ドル、カエチテ鉱山開発に2,300万ドルが投資された。また燐酸鉱物の埋蔵も確認されているサンタ・キテリア鉱山開発に1億5,000万ドルの投資が予定されている。(20日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
【ブラジル経済情報】 速報 6月19日
株式発行が急増している
米国金利の先行き不安で、新興国の株式市場から資金の引揚げが続いているにも関わらず、1月から5月までのブラジルでの株発行は昨年同期比630%増加の124億レアルで、昨年の総発行額141億4,000万レアルの87%に達している。
しかし社債発行は有価証券取引委員会(CVM)で多くの企業が承認を得ているにも関わらず、株価の下落が続いているので発行を控えており、昨年の182億1,000万レアルから64億1,000万レアルに留まっている。
しかし7月から292億レアルの社債発行が予想されており、BFBリーディングが150億レアル、AmBev20億レアル、ALL社が7億レアルの社債発行を予定している。
2004年の国内金融市場での株、社債や不動産債権などの発行額は265億レアル、昨年は686億レアルに急上昇、今年5月までは235億レアルで年末までには昨年並みの発行額が予定されている。(19日付けエスタード紙)
アルゼンチンとの貿易黒字は昨年以上
ドル安が継続しているにも関わらず、今年のアルゼンチンとの貿易収支黒字は昨年の37億ドル以上が予想されている。
またメルコスル域内への海外からの昨年の直接投資は、アルゼンチン向けが総額の23%であったが、ブラジル向けは75%であった。ドル安でブラジル企業家は盛んに海外投資を行なっており、今年のブラジルから海外への投資額は昨年比215.9%増加の31億3,000万ドルが見込まれている。
今年の平均ドル値R$2.18に対して、アルゼンチン通貨ペゾは1ドル3.06が予想されており、カマルゴ・コレア建設やフリゴボーイ食肉会社が投資を行なっている。(19日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
自動車部品会社が他州に移動
自動車生産工場のサンパウロから他州の移動に伴って、自動車部品会社も移動しており、1995年のサンパウロ州内の部品会社比率はブラジル全体の86.7%であったが、昨年は71.9%まで比率を下げている。
1995年のサンパウロ市内の自動車部品会社は全体の33.6%、大サンパウロ圏のABCD地域は18.2%であったが、昨年はそれぞれ18.2%及び14.7%に低下した。
また1995年の自動車部品会社の75.1%は国内資本であったが、昨年は56.3%まで低下しており、昨年の自動車関連工業への投資の76.9%は外資系企業であった。
サンパウロ州に次いでミナス州が自動車部品売上げ全体の9.9%、パラナ州が7.7%を占めており、昨年の自動車生産台数は253万台でそのうちサンパウロ州は45.8%を占めたが、1990年は74.8%で大半で占めていた。(19日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
ヨーロッパ連合国へのエタノール輸出を制限
ヨーロッパ連合国内の大手農業組合Copa-Cogecaは、同域内へのエタノール輸入量を生産量の7%までに制限することをヨーロッパ連合委員会に申請した。
連合国のエタノール生産量は17億リットルでブラジルや米国の生産量10%以下で1億1,900万リットルに相当するが、ブラジルがヨーロッパ連合国とメルコスルとの間で交渉しているエタノール輸出量10億リットルである。
新興国での砂糖類の消費が伸びてきており、砂糖の国際商品価格はこの25年間で最も高騰しており、また中国とパキスタンの砂糖のストックは底をつきかけており、またロシアやインドでもストック量が低下している。また石油価格高騰でシカゴの先物取引所での昨年4月のエタノール価格は0.32ユーロであったが、先月は0.71ユーロまで上昇している。(19日付けヴァロール紙)
【ブラジル経済情報】 速報 6月14日
第2四半期の投資額は減少
今年第1四半期の投資額は前四半期比3.7%増加したが、4月は前月比0.3%の落ち込みが予想されており、この第2四半期の投資は前四半期比1.3%の増加に留まると予想されている。
インフラ整備及び工業界の新規投資は停滞しているが、住宅建設が牽引している建設部門への投資は5%から6%が見込まれている。
今年1月から4月までの建設部門への投資額は前年同期比4.7%増加しているが、鉱工業部門は2.9%、セメント部門8.9%、プラスチック9.4%、電気電子材料部門への投資額は5.2%であった。
インフラ基幹産業協会(Abdib)は、今年の投資を177億ドルと見込んでおり、そのうちの68%は石油・天然ガス、電力発電部門への投資が予想されている。(14日付けヴァロール紙)
基本金利の低下で銀行業界の競争激化
基本金利及びスプレッドの低下で銀行業界の競争激化が激しくなってきており、中小銀行はニッチ業界へのサービスで生き残りをかける必要に迫られている。
ドル安が継続している現在は海外投資家からのブラジル資本の銀行買収は止まっているが、ドル高になってくると再び投資が活発になると予想されている。最近の買収物件ではフランス系Societe・Generale銀行がPecunia金融会社を買収した。
買収を盛んに行なっているのはイタウー銀行及びブラデスコ銀行で、ブラジル銀行及び連邦貯蓄銀行との競争力を維持するためである。1994年から銀行や買収や金融機関の買収・合併が盛んになり、255件が成立したが、特に1997年は36件の買収・合併が行なわれた。(14日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
ルーラ大統領候補への支持率は48%に上昇
ルーラ大統領候補は次々に発表する貧困対策、全国各地で行なっている公共設備のイナグレーションや頻繁に登場するメディアでの政治活動で人気が上昇しており、3月の大統領一次選調査では43%の支持率であったが、昨日のCNI/Ibopeの調査では48%に上昇して、第一次選での当選可能性が濃厚になってきたが、アウキミン候補は19%で足踏みしている。
また大統領の執政に関する調査では、3月の28%から6月には44%が合格点をつけており、汚職問題が発覚する前の2005年3月のレベルまで回復している。
学歴別支持率では、小学校卒の69%がルーラ候補を支持しているが、大卒の49%はルーラ大統領の執政に不合格点を付け、45%は合格点を付けている。
また調査対象の80%は今後6ヶ月以内の賃金上昇を期待しているが、13%は期待していない。55%はインフレの低下を予想しているが、36%はインフレ上昇を予想している。また失業に関する調査では50%は減少、45%は上昇すると予想している。(14日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
【ブラジル経済情報】 速報 6月13日
米国金利の利上げ観測により世界中で株価を下げた
米国連邦準備理事会(FRB)高官から新たなインフレ警戒発言が出たことや今月末の利上げ観測の強まりから、世界的に株価が下落してニューヨーク株式市場で0.91%下落、ナスダックも2%以上下落した。
サンパウロ平均株価指数(Ibovespa)は今年2番目の下げ幅4.33%と大幅に落込み、今年の株価が25%以上上昇していたが、先月からの株価の落込みで利益が無くなっており、サンパウロ証券市場では総額2,000億レアルの株価落込みとなっている。
世界的な株式市場の震撼は6月29日のFRB理事会の米国金利の決定まで継続すると予想されているが、14日までに発表される米国卸売物価指標(PPI)及び米国消費者物価指標(CPI)の動向も注目されている。(13日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
イタイプー発電所は1億6,800万ドルのロイヤリティー支払い
世界最大級のイタイプー水力発電所は、発電所建設に伴う水没地域の州市町村に対して支払う今年のロイヤリィーは、昨年比7.5%を上回る1億6,800万ドルと予想している。
今月のロイヤリィー支払いは9,836万ドルであり、大半はパラナ州や州内市町村でパラナ州は3,734万ドル、州内15の市町村は3,709万ドルを受取る。
また南麻州のロイヤリティーは8,810万ドル、そのうち5,270万ドルが水没地域の大きいムンド・ノーヴォ市に支払われる。1991年の発電所建設後に支払われたロイヤリィー総額は28億6,400万ドルであり、そのうち22億4,900万ドルが州や市町村に支払われた。(13日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
基本金利の下げ幅は鈍化傾向
昨日の中銀の経済指標見直し発表で、年末の基本金利(Selic)を14.25%から14.50%に上方修正した。4週間前のSelic金利予想は14%であった。金融市場では2007年年末のSelic金利を13%と予想している。
Selic金利の下方修正は今年の鉱工業成長率は、4.50%から4.28%に下方修正されたためであるが,経済成長率は3.6%に据置かれている。
インフレの目安となる広範囲消費者物価指数(IPCA)の5月最終12ヶ月間の指数は4.5%を下回り、今年の同物価指数は4.31%から4.22%に下方修正された。
海外からの直接投資は156億5,000万ドルから155億ドル、為替はR$2.20からR$2.19に修正されたが、貿易収支黒字は400億ドル、2007年は353億2,000万ドルと据置かれた。(13日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
連邦貯蓄銀行は住宅購入クレジット拡大
連邦貯蓄銀行は15日以内に、ブロクラシ-を省いた効率的なリスク審査や柔軟な住宅プロジェクト審査の新しいモダリティーの住宅クレジットを発表する。
同銀行では住宅クレジット申請企業の80%が融資を受けており、今回の新しいクレジットで100%近くまで上げることを目標にしているが、建設業者は20%の自己資金を賄わなければならない。
同銀行は今年すでに53億レアルの住宅向け融資を行なっているが年末までには100億レアルを見込んでおり、リオ州の住宅クレジットは昨年同期比131%増加の4億4,000万レアルをすでに行なっている。民間銀行の住宅クレジットを合わせると、今年は180億レアルに達するが、55%が新築物件であった。(13日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
【ブラジル経済情報】 速報 6月12日
今年のプライマリー収支黒字はGDPの4.5%
大統領選挙の今年は、最低給料の増加や公共投資の増加による連邦政府の支出増加で、昨年のプライマリー収支黒字GDP比4.83%から4.5%への下方修正が見込まれている。
ルーラ大統領就任後インフラ整備を中心とした公共投資の減少、増税及び公務員の給料調整停止で、2002年のプライマリー収支黒字GDP比3.89%から昨年は4.83%と0.93%大幅に増加した。
プライマリー収支黒字を押し上げているのは、税収のGDP比2.04%、公社からの収益0.12%、公共投資減少‐0.38%などであり、プライマリー収支黒字を下げているのに年金・恩給支出や失業保険支出がGDP比1.53%、飢え皆無運動や家庭補助対策0.22%、その他の連邦政府支出0.05%、州及び市町村支出0.46%となっている。(12日付けエスタード紙)
ボリビアからの天然ガスは11%値上げ
ペトロブラス社は3カ月おきに見直されるボリビアからの天然ガス価格は11%調整されると発表した。
現在ブラジルは日産1,500万立方メートルの天然ガスを生産しているが、ボリビアから日産3,000万立方メートルを輸入している。
1996年にブラジルへ輸出される天然ガスで、ボリビア政府はBTUあたり1ドルの収益を上げていたが、今回の値上げでBTUあたり4ドルの収益が予想されている。(12日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
多くの企業が社債発行を見合わせている
10社の大企業はすでに有価証券取引委員会(CVM)から社債発行の許可を受けているが、米国の金利先行き不透明感で、国際金融市場が不安定になっており、ブラジルの株式市場から海外投資家が資金を引上げており、社債発行を見合わせている。
CVMへの申請を見合わせているのはTIM社、ブラジル銀行、Teremar社などで60億から70億レアルの社債発行額に達する。
また社債発行を見合わせている企業はGVTホールディング、Multiplan、Odentoprev、MMXミネラサン、Klabin、Cremer社などである。
ラテンアメリカへの株式投資は昨年の第34半期は14億ドル、第4四半期は19億ドル、今年の第1四半期は30億ドルが流れ込んだが、6月の初め1週間だけで4300万ドルが資金を引上げた。(12日付けヴァロール紙)
【ブラジル経済情報】 速報 6月09日
ヴァリグ航空に破産の可能性
8日にリオで行われたヴァリグ航空の入札に、ゴール航空、TAM航空、オセアンエアー、セウアズール及びヴァリグ航空従業員構成のNVパーチシパソンイスが参加、最低額8億6,000万ドルから始まった入札には何処からも参加がなく、入札最低額を設けない条件で、唯一NVが4億4,900万ドル相当の10億1,000万レアルでオファーを提示した。
しかしヴァリグ航空を担当しているルイス・アイオウビ判事が24時間以内に入札承認の判定を下すが、連邦政府もヴァリグ航空問題にはサジを投げており、承認されない場合は破産に追いこまれる。
オファーの10億1,000万レアルのうち、2億8,500万レアルが現金であるが、投資家が明らかにされていない。2億2,500万レアルは従業員持株のクレジットであるが、大半が元従業員であり同意の取り付けが困難である。
残りの5億レアルは社債発行で賄う予定であるが、破産寸前の社債は売れない上に発行までに6ヶ月間を要するので、入札承認は困難と見られている。(9日付けエスタード紙)
金属の国際商品価格が不安定
アジアや欧州中央銀行はインフレ対策で利上げを決定し、世界経済およびコモデティー需要の先行き不安から、ロンドン金属取引所(LME)でのニッケル価格はトン当たり150ドル下げて2万950ドル、亜鉛も10ドル下げて1,028ドルになった。
しかし銅価格は120ドル上げて7,460ドルに上昇したが、取引中は6.2%の480ドルまで下がった。また錫価格も215ドル上げて8,125ドルに上昇した。
また米国の金利上昇予想で、銅価格は五月11日のピークから17%も下げており、アルミニウム価格も先月のピーク時から21%、亜鉛14%それぞれ下げており、5年間継続した中国需要終焉のシグナルの可能性もでてきた。(9日付けヴァロール紙)
ポルトガル資本のTiner社が高級住宅市場に進出
ポルトガル資本のTiner社は、5年間でA及びBクラス対象の総販売額14億レアルの住宅やアパートの高級コンドミニアムをサンパウロ市などで販売する。
最も大型のコンドミニアムはアニャングエラ街道18キロ地点のリオ・アトランチカに総販売額6億8,000万レアルの高級住宅5,180軒、またサンパウロ市内に高級アパート294軒と住宅36軒で総販売額1億8,800万レアルをGafisa 社と共同で販売する。
また中級クラスを対象にサンパウロ市南部のインテルラゴに総販売額3億2,400万レアルの1,719軒の住宅及びアパート販売も予定している。同社は米国、ポーランドやアンゴラでも住宅販売を手広く行なっている。(9日付けヴァロール紙)
6月のクレジットカードによる売上げは26.3%増加予想
12日が恋人の日の今月のクレジットカードによる小売販売は、昨年同月比26.3%増加が予想されており、母の日及びクリスマスに匹敵するほどのクレジットカード利用が多い。
恋人の日の1週間のクレジットカードによる売上げは36億レアルに達し、6月の衣類と履物の売上げは昨年同月比7.2%、花卉や工芸品が4.8%の増加が予想されている。
700レアルまでの月収のクレジットカードによる消費は6.8%増加が予想されている。今年上半期のクレジットカードによる売上げは昨年同期比25.7%増加の726億レアルが見込まれている。(9日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
【ブラジル経済情報】 速報 6月08日
今年の経済成長率を3.4%から3.8%に上方修正
応用経済調査院(Ipea)は今年の経済成長率を3.4%から3.8%に上方修正された。 第1四半期の経済成長率は1.4%と大幅にのびたが、第2四半期は1.2%、第3四半期1.1%、第4四半期は0.9%と減少が予想されている。また投資額も国内総生産の20.5%、2007年度は21.2%にそれぞれ上方修正した。
今年第1四半期の投資額は、大統領選による連邦支出や公共設備投資の増加や金利低下で前年同期比9%増加したために、今年の投資成長率を5.8%から7.8%に修正した。
またインフレ参考指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は4.8%から4.4%に下方修正され、インフレ率予想の低下で第4四半期の平均基本金利(Selic)は14.7%から14.2%に下方修正されたが、貿易収支黒字は継続するドル安で418億ドルから404億ドルに修正された。
民間及び公共支出は共に横ばい、輸出は4.5%から5.3%に上方修正されたが、輸入は14.8%から14.7%に下方修正、鉱工業成長率は4.3%から4.5%に修正された。(8日付けエスタード紙)
銀行業務も消費者保護法を適用される
連邦高等裁判所(STF)は銀行業務にも消費者保護法の適応を決定、銀行の過激な勧誘、クレジーットカードや法外な金利徴収などで消費者保護センター(Procon)に訴えることが出来る。
また負債に対する法外な金利徴収、一般銀行業務の法外なサービス料金徴収、市場を大幅に上回る金利、銀行から側の勝手なクレジットカードの発行や不明確なサービス説明などについて顧客はクレームをつけることが出来るようになる。
今年第1四半期の消費者からのクレームトップは固定電話やセルラーのサービス、小売業のクレジットカードについで銀行のサービスが4位にランクされており、不当なサービス料金の徴収が161件、電子決済の不手際89件、契約に関するクレームが35件だった。(8日付けエスタード紙)
今年のマナウス自由貿易地域の出荷額は220億ドル
今年4ヶ月間のマナウス自由貿易地域の出荷額はワールドカップ景気に支えられて、昨年同期比59%増加の72億ドルに達しており、今年の出荷額は220億ドルが見込まれている。
ワールドカップ開催の年はテレビ、DVD、セルラーの買換え需要が大幅に伸び、今年4ヶ月間の輸出額は5億5,000万ドルに達し、1997年との比較では10倍になっている。
主な輸出先は米国、アルゼンチン、トラック輸送が可能で地理的条件が整っているヴェネズエラなどである。また同地域への投資は電気電子及び情報産業の部品部門とプラスチック射出部門を中心に、今後3年間で45億ドルの投資が予定されている。(8日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
ブラジル銀行などが情報システムの入札を行なう
ブラジル銀行、連邦データー処理サービス公社(Serpro)及び連邦貯蓄銀行(CEF)は、情報システムサービスのプロバイダーの入札を予定している。
現在のプロバイダーがブラジル資本のDBA社及びPolitec社のCEFの予算は2億5,000万レアルが予定されており、契約は2007年4月からスタートするがプロバイダー数は3社から10社を採用する。
Serpro は選定済みの16社のプロバイダーの中から1社を選ぶが、2年間で9,600万レアル、ブラジル銀行は3年間で2億5,000万レアルを見込んでいる。(8日付けガゼッタ・メルカンチル紙)
【ブラジル経済情報】 速報 6月07日
5月の自動車生産台数は24万5,200台で新記録
5月の自動車生産台数は前月比20.1%と大幅に増加して記録を塗替え、また前年同月比でも10.4%アップ、今年5ヶ月間の累計は108万595台に達していると全国自動車工業会(Anfavea)は発表している。
ドル安の為替にも関わらず、5月の自動車輸出額は前月比16.7%増加の10億5,800万ドル、また前年同月比でも10.8%増加、今年5ヶ月間の累計は46億2,000万ドルで記録を塗り替えた。
しかし昨年同時期の自動車輸出は前年同期比40%増加していたが、今年は8.6%に留まっており、今年の輸出額は益々落込んで前年比2.7%増加に留まると予想されている。
5月の自動車の国内販売は前月比25%増加の16万4,000台で前年同月比でも14.8%増加、今年5ヶ月間の販売台数は71万2,800台で、前年同月比9.4%増加しており、今年の販売台数は前年比7.1%増加の180万台、生産台数は4.5%増加の245万台が見込まれている。〔7日付けエスタード紙〕
メキシコからの累計投資額は82億ドル
最近4年間のメキシコからブラジルへの投資は82億ドルを上回り、2003年のアメリカン・モーヴィル社の8,000万ドルの投資を皮切りに、米国やヨーロッパ諸国についで7位にランクされている。
アメリカン・モーヴェル社の累積投資額は70億ドルに達し、その他が12億ドルを投資している。主なメキシコの進出企業はビールメーカーのカイザー社を買収したFemsa社、ホテル業界のシーザーパーク、家電のMabe 、パンメーカーのBimbo、衛生用品メーカーのMabesa社やジュースメーカーのDel・Valle社などである。
Del・Valle社はサンパウロ州内のジュース生産工場からラテンアメリカ、アジアやアフリカへ輸出している。昨年の両国の貿易額は49億ドルで、メキシコは40億6,000万ドルを輸入、ブラジルへの輸出は8億4,400万ドルであった。〔7日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕
コダックはマナウスでデジタルカメラ生産
イーストマン・コダック社は生き残りをかけて、中国に次いでマナウスでデジタルカメラを生産、ブラジル国内のCクラスの顧客をターゲットに販売する。
2005年のデジタルカメラのブラジル国内販売台数は200万台であったが、今年は300万台の販売が予想されているが、デジタルカメラはカメラ市場の僅か6%のシェアを占めているに過ぎないが、今年の年末には12%が予想されている。
コダック社はJabil社にC360型を委託生産するが、マナウス自由貿易港の優遇税の利用で、価格は現在の1,299レアルから899レアルに値下げして販売する予定である。〔7日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕
サントス港の貿易額はブラジル港湾の25%
今年3月から4月にかけて国家衛生監督庁(ANVISA)の監督官のストにも関わらず、4月のサントス港の取扱量は656万3,000トンを記録した。
また今年4ヶ月累計は2,219万トンで前年同期比3.26%増加、輸出量は2.38%、輸入量は5.2%それぞれ増加、貿易額は171億ドルで、ブラジル港湾の取扱額の25.9%を占めたとサンパウロ州港湾会社(Codesp)は発表している。
4月の取扱量は大豆53.71%、石炭179.52%増加が見込まれており、今年のサントス港の総取扱量は7641万トンが予想されている。
サントス港に次ぐ貿易港はヴィトリア港であり、今年4ヶ月間の貿易額は52億ドルでブラジルの貿易の7.9%、パラナグア港35億ドルで5.3%、リオ港/イタグアイ港31億ドルで4.8%、リオグランデ港26億ドルで3.9%となっている。〔7日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕
【ブラジル経済情報】 速報 6月06日
連邦政府は40億ドルの外債買戻し
米国の金利上昇が予想され、新興国の外債価格が低下している現状に照準を合わせるように、5日、ブラジル政府は償還期限が2007年から2030年のブラジル外債40億ドル分の買戻しを発表した。
この外債買戻しは8日まで継続され、230億ドル分が市場に出回っているドル連動グローバル債やユーロ連動Euros債など20種類の外債を買い戻す予定である。
この外債買戻しの目的は、今現在の新興国の外債価格は安価で買得であり、買戻しによるカントリーリスクの低下、他の外債償還期間の長い外債発行への切替、国際金融市場変動に対する抵抗力を付けるために実施される。
またブラジルの外貨準備金は635億7,000万ドルで貿易収支黒字も充分にあり、外債買戻しに有利に作用している。〔6日付けエスタード紙〕
工業界は徐々に回復
4月の工業界の雇用は、3ヶ月連続で上昇しており前月比0.55%増加、また労働時間も0.69%増加しており、全国工業連合(CNI)は今年の工業成長率を5.0%と見込んでいる。
しかしCNIでは今年の経済成長率を3.7%と見込んでおり、5%の経済成長率達成には、工業界の4.2%の成長率を達成しなければならない。
工業界の4月の売上げは前月比1.35%のマイナスであるが、今年4ヶ月では2.34%の増加、また前年同月比では3.59%の増加を記録している。また設備稼働率では昨年9月から81%を維持している。〔6日付けエスタード紙〕
サンパウロは6年ぶりのデフレ
五月のサンパウロ市の消費者物価指数(IPC-Fipe)は、2000年2月の0.23%のデフレを記録して以来の0.22%のデフレを記録した。
また最終12ヶ月間のインフレは僅かに1.97%、今年5ヶ月間のインフレは0.46%であり、政府目標の今年のインフレは、4月末に4.5%から4.0%に下方修正されている。
5月の物価変動では医療保険部門0.80%、衣類0.39%、教育0.10%がそれぞれ上昇したが、住居費‐0.01%、交通費‐0.61%、食料‐0.89%とそれぞれデフレを記録した。〔6日付けエスタード紙〕
2005年/2006年度の収穫量を再度下方修正
南部地方の旱魃や大豆サビ病発生などで、5日には7回目の2005年/2006年度収穫量予想を再度0.7%下方修正して、1億2,030万トンと国家配給公社(Conab)は発表した。
2005年/2006年度の収穫量は1億3,200万トンと見込まれていたが、南大河州の旱魃で大豆の生産が前年の80%まで落込んだ。
2004年/2005年度の収穫量は1億1,390万トンであったが、来年度の収穫量は5.6%増加が予想されているが、小麦の耕作面積は18.1%減の193万ヘクタールが予想されている。〔6日付けエスタード紙〕
【ブラジル経済情報】 速報 6月05日
自動車部品工業界は下半期の需要低下を予想
自動車の国内販売が伸びているにも関わらず、自動車部品工業界ではドル高の影響で輸出が停滞しており、TRW自動車部品会社では6月から9月までのパーツ購入を昨年同期比2%減に調整する。
5月初めの自動車ストックは17万5,000台で、昨年同期比1万6,000台も多く、Dana社でも昨年同期比5%少ないパーツの発注を予定している。
Saint-Gobain Sekurit社今年5ヶ月間の自動車用ガラスの注文は昨年と変わらないが、ワーゲン社のリストラ計画反対によるストライキで、注文の減少を心配している。
しかし今年の6月から8月までのトラックやバス用自動車部品は昨年同期比10%の伸びが予想されており、タービンを供給するBorgWarner社は下半期の売上げは上半期を上回ると予想している。〔5日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕
中米への経済ミッションは予想を上回る成果
フルラン産業開発相の中米5カ国への経済ミッションは、予想を40%上回る8000万ドルの商談に成功したと国家輸出振興庁(Apex)は発表した。
経済ミッションの企業家達は中米の947企業と交渉し、今後12ヶ月間に最低でも8,018万ドルの商談成約が予想されており、建設関係や政府公共投資入札を中心に、ブラジル企業のサービス業や建築業者は1,050万ドルを投資する。
経済ミッションは石油精製業者から抵抗の強いガソリンへのアルコール混入に対して、再生可能エネルギーの有用性の説得に成功して、今後の商談拡大が期待されている。〔5日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕
BNDES銀行は50億レアルを基幹産業に
社会経済開発銀行(BNDES)は製鉄、金属、石油化学や紙・パルプの基幹産業向けに昨年の66%ましの50億レアルをファイナンスする。
インフラ整備及び基幹産業分野に、昨年の23%増加の150億レアル、製鉄部門へのファイナンスは昨年の8億8,000万レアルから3倍近い24億レアルがy予定されており、CSN製鉄がリオ州イタグアイ市に建設する高炉へのファイナンスも含まれている。
また紙・パルプ部門へは昨年比46%増加の19億レアル、インフラ整備では輸出用に南バイア州の複線化へのファイナンスが決まっている。
石油科学分野へは7億5,000万レアルが決まっており、そのうちに4億5,000万レアルPQU社へ融資される。電力分野へは25億レアル、ガス・石油21億レアル、通信分野へは15億レアルがファイナンスされる。〔5日付けヴァロール紙〕
【ブラジル経済情報】 速報 6月02日
輸入増加で貿易収支黒字が縮小
ドル安及び好調な経済に支えられて輸入が急増しており、5月の貿易収支黒字は前年同月比12.13%減の30億2,800万ドルに減少した。
また今年5ヶ月間の貿易収支黒字は、前年5月の154億6,000万ドルから154億6,000万ドルに減少、最終12ヶ月間の貿易黒字も445億7,000万ドルに減少している。
ドル安で価格競争力が失速してきており、自動車、自動車部品、パルプ、トラック、鋼板、モーターや飛行機などの輸出が軒並み減少している。
今年5ヶ月間の輸入は前年同期比22.1%増加の340億ドルに達しているが、輸出はマイナス13.8%の494億6,000万ドルに減少している。自動車輸入は95.2%、消費財36.8%、設備投資用機械・装置が26.6%とそれぞれ大幅に増加している。〔2日付けエスタード紙〕
CCEはコンピューター生産でPositivoを追う
国内の電機メーカーCCE社は6,000万レアルを投資して、マナウスのコンピューター生産工場を拡張、年間40万台のコンピューター及び24万台のモニターに生産能力を上げて業界リーダーのPositivo社と争う。
CCE社は2006年の情報部門の売上げを2億レアル、来年には3億レアルを予定しており、2年間でマーケットシェア7%を目標にしている。
昨年、Positivo社は37万台のコンピューターを販売して、マーケットシェア6.7%で業界トップ、2位はHP、センプ東芝は3位であった。今年第1四半期のコンピューター業界の売上げは前年同期比20%増加している。〔2日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕
Modal鉄道は鉄道網会善意23億5,000万レアルを投資
10年前にRFFSA鉄道を民営化して誕生したModal鉄道は、今年、鉄道網の近代化に23億5,000万レアルを投資するが、総延長距離2万8,239キロメートルの鉄道網の近代化に総額160億レアルの投資が予定されている。
Modal鉄道は今後10年間で、ブラジル貨物輸送の35%の占有率を予定しているが、1996年は19%、昨年は25%の市場占有率であった。
民営化された1996年の貨物輸送量は1,370億トン/キロメートルであったが、昨年は2,220億トン/キロメートルと62%と大幅に増加している。〔2日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕
宝山製鉄はCSN製鉄とジョイントベンチャー
世界6位の中国の宝山製鉄はブラジルのナショナル製鉄(CSN)合弁で、生産量600万トンの二ヵ所の製鉄所建設で交渉中である。
二ヵ所の製鉄所建設投資には36億ドルが見込まれており、最初に建設される製鉄所候補地としては、リオ州イタグアイ市が有望であり、300万トンの生産能力を擁して2009年後半から操業開始が予定されている。
二か所目の製鉄所建設候補地としてはリオ州かミナス州が有望であり、2010年初めの操業が予定されている。宝山製鉄はヴァーレ・ド・リオドーセ社と共同でマラニャン州での製鉄所建設を予定していたが、計画は凍結されたままである。〔2日付けヴァロール紙〕
【ブラジル経済情報】 速報 6月01日
中銀は基本金利を0.5%下げた
昨日の中銀の通貨政策委員会(Copom)は、満場一致で基本金利(Selic)を0.5%下げて15.25%に決定、2001年2月以来の低レベルに達した。2005年9月から8回連続で累計4.5%の基本金利を下げている。
しかし実質金利は10.5%と世界で最も高金利であり、2位シンガポールの6.7%を大幅に上回っており、ヴェネズエラ5.8%、トルコ4.3%、香港4.0%となっている。
多くのエコノミスト達は年末の基本金利を14%と予想しており、7月に再度0.5%の切下げ、その後3回連続で0.25%の切下げが必要となる。
通貨政策委員会から0.5%の切下げ発表後、ブラデスコ銀行とブラジル銀行は金利を調整した。ブラデスコ銀行は特別小切手の最高月利を8.17%から8.13%、最低月利を4.55%から4.52%、個人融資の最高月利5.71%から5.67%、最低月利3.16%から3.12%、ブラジル銀行は特別小切手及びクレジットカードの最低月利を2.30%から2.25%、最高月利を7.90%から7.85%にそれぞれ下げた。(1日付けエスタード紙)
今年第1四半期の経済成長率は1.4%
今年第1四半期のブラジルの経済成長率は前期比1.4%、前年同期比3.4%増加、連邦政府の今年の目標経済成長率4.5%達成の可能性が大きくなった。
鉱工業部門やサービス部門での生産が伸びており、特に設備投資用機械や装置の輸入が増加しており、企業家達は持続する経済成長に賭けている。
また一般家庭の消費は前期比0.5%、前年同期比4%、輸出は前期比9.3%、前年同期比15.9%それぞれ増加、鉱業全般が前年同期比12.6%、鉄鉱石生産16.8%、石油・ガス12.7%、建設部門7%、製造業3%それぞれ増加した。
しかし農畜産が前年同期比マイナス0.5%、今年の米の収穫量予想はマイナス15.8%、綿花マイナス22.4%、ピーナッツはマイナス10.5%とそれぞれ減作が予想されている。
ブラジルの第1四半期の経済成長率は前年同期比3.4%増加したが、中国は10.3%、インド9.3%、韓国6.2%、メキシコ5.5%、米国5.3%、ポーランド5.2%と軒並み5%以上を達成している。〔1日付けエスタード紙〕
5月の投資は金及びドルが利益を上げた
5月の投資ランキングトップは金の12.78%、続いてドルが11.31%と2002年9月の大統領選前の24.92%と高騰して以来の上げ幅を記録した。
しかし米国のインフレ再燃の懸念による金利上昇の見通し不明で、世界中の株式市場が大揺れしており、サンパウロ平均株価指数(Ibovespa)もマイナス9.50%となり1999年5月以来の下げ幅を記録した。
海外投資家がブラジル株式市場から資金を海外に持ち出すためにドル買いが急上昇してドル値が上昇したが、6月末の米連邦準備理事会(FRB)の金融政策会議での金利調整結果が発表されるまで、世界の金融市場の動揺が継続すると予想されている。〔1日付けエスタード紙〕
5月の自動車の国内販売は好調を維持
5月〔30日までの累計〕の自動車の国内販売台数は14万4,894台で前月比16.2%増加、前年同月比7.22%と好調を維持している。
また今年5ヶ月間の累計は66万5,736台で前年同月比8.6%増加しており、低利な自動車ローン金利や堅調な経済で消費者が新車を購入している。
5月の自動車市場シェア争いではファイアット社がトップ、続いてGM社とワーゲン社、今年の累計ではフィアット社がトップ、ワーゲン社が2位、3位にGM社となっている。〔1日付けガゼッタ・メルカンチル紙〕